おそらく私の幼少期はすべてこのカメラで写されたであろうミノルタコード。
二眼レフとしては小型なボディなのですが現在のいかなるカメラも太刀打ちできない存在感を放っています。
約60年程前のこのミノルタコードは私の父にとっておそらく初めてのカメラであったと思われます。
露出計が内蔵されていないなどは当然のことで、フィルム装填の良し悪しで写りや撮影枚数に問題が発生するのもこの当時のカメラでは当たり前のことでした。
旅行写真など楽しみに現像すると何も写っておらず真っ黒であったり、ピンボケで何が写っているのかわからないなど、母がよく父にぼやいていたことを当時子供心ながら記憶しています。
現代のカメラのように誰がどの様なシチュエーションで撮影しても間違いのない写真が撮れるのは勿論素晴らしいことですが、失敗と隣り合わせのリスクを内包しているこのようなカメラもまた素晴らしいものであると私は考えます。
「ライカ使いの名手、木村伊兵衛」などという心ときめかせる文言はもはや現代には存在しないことは機械好きの私にとっては少し寂しい限りです。
カメラ以外でも不確実であるがゆえに上手くいった時の達成感が感じられる昭和初期~中期の少し手のかかる機器を手元に何か一つ置いてみると単調な現代の生活の中に彩をあたえてくれることは間違いのないことでしょう。
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