2015年9月28日月曜日

Time For Improvisation / Peter Ind - 今宵はこの一枚



私の好きなベーシストの一人、レニー・トリスターノ派に位置するPeter Ind。
その本人自信が主宰するWAVEレベールの4枚目に発売されたレコード番号LP4の 「Time For Improvisation」。
WAVEレーベルといえば天体望遠鏡を覗いているレコード番号LP1の「Looking Out」が有名だが個人的にはPeter Ind自信の自主レーベルだからこそこの世に出たというべき本作品がマストアイテムである。

私がこのレコードそしてWAVEレーベルを知ったのは約35年前ほどのこと。これら一連のレコードを所有していた知人に数枚を聴かせてもらったことが始まり。
当時自分が聴いていたJAZZとのあまりの違いにもの凄く新鮮な感覚に全身が包みこまれたことを今でもよく覚えている。

内容も印象的だったが、そのジャケットに心奪われたのがLP1「Looking Out」とLP4「Time For Improvisation」。
すぐにでも手に入れたかったのだが、当時でもなかなかストックしている店は見つからず今でも輸入盤や中古レコードに強いレコード店に「いつまででも待ちますからWAVEレーベルから発売されている全アルバムの注文をお願いします。」と言って待つこと約1年、全数は到底入手不可能だったようで6枚のレコードが手元に届いた。
そしてその6枚の中にLP1とLP4が含まれていたことは正に幸運なことで毎晩毎晩レコードを聴きながらジャケットを食い入る様に眺めていた。

そして今回紹介しているLP4「Time For Improvisation」、演奏曲目は

Side 1.

1. My Melancholy Baby
2. Mean To Me
3. Pennies From Heaven
4. Foolin' Myself
5. You'd Be So Nice To Come Home To

Side 2.

1. All Of Me
2. All The Things You Are
3. Blues
4. Reflection
5. Out Of Nowhere
6. Indiana

以上全11曲、有名なスタンダード曲が並んでいる。
しかしこのレコードが他のソロベース作品と決定的に違うのはメロディーラインは一切なし。
ただひたすらにリズムベースライン、すなわちコードを演奏しているソロベース作品なのである。


ジャケット裏面にはこのように各曲ごとのスコアが記載されている。
Time For Improvisation~正に即興のためのベースライン教則盤のようなレコードである。

普通に考えるとリズムベースラインの演奏だけをレコード一枚分も聴いていたのでは退屈この上ないように感じるかもしれないが、Peter Indのその強靭で陰影に富んだ演奏は聴く者をぐいぐいと惹きつけてゆく。
聴き方によればシュールな感覚にさえさせられるその演奏は何回聴いても飽きることがない。

現在はほぼレーベル全アルバムがCD化されているようだが、ネット上でもこのアルバムだけは「取扱なし」や「入荷未定」などとなっている。しかしMP3のダウンロード版は簡単に入手できるので是非一度聴いてみて頂きたい。

最後に聴くにあたって少し大げさなb言い方になってしまうが、できる限り高音質なシステムで聴くことをお勧めする。先にも書いたように「強靭でその陰影に富んだ」を体験するにはやはりどうしてもそのあたりは必要な要素であると思う。


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