2015年2月27日金曜日

「むげん東京本店」訪問 - 昭和の香り漂う心踊る空間



ガン&ミリタリーイベントで毎回ブースにお邪魔している「むげん」。
今回はそんなむげん東京本店に家内と共に伺いました。

場所はJR、京急線「蒲田」駅から徒歩4~5分、車ですと国道15号線から少し入った静かな路地に面した場所にあります。


近くのパーキングに車を停めしばし歩いていると一瞬フラワーショップか輸入雑貨店かと思わせるような風情の店舗が目に飛び込んできます。
控え目な看板に「ガン&ミニカー むげん」とあるのでここで間違いありません。


正面はこのような感じで入口上の木製看板の「MUGEN」の字体がお茶目です。
間口が狭く奥に長い店舗の形態は私が小さい頃通った当時の模型店のイメージそのもので、昔はどこの商店街に必ずこのような模型とおもちゃを扱う店舗が一軒はあったものです。
撮影中にも通りすがりの人が自転車にまたがったままふとショーケースを覗き込むなど地元に定着している様子がうかがえました。


伺った当日はお客様がひきりなしに来店されていて商品で溢れている店内では、ショーケース内の商品に見入る人、西面社長、小林店長と商品についてじっくり語り合う人などそれぞれがここでのひと時を満喫しているようでした。

上の写真は各種アクセサリーとガン&ミリタリー関連の書籍がディスプレーされている平台です。
一部の銃を除き大多数の実銃を触るはおろか目にする機会さえないこの日本でこれらの書籍はガン&ミリタリーマニアにはきっとバイブルとも言える物なのでしょう。
各出版社さん、ライターさんには日本のこのような熱心なファンに向けいつまでも情報を提供し続けてもらいたいと願います。


こちらのショーケースはエアソフトガンのハンドガンが陳列されています。連れられた男の子とお父さんの会話が何とも和みました。やっぱり男の子は「鉄砲」が大好きなんですね。
私が小さい頃は「巻玉鉄砲」と「銀玉鉄砲」でしたのでそれにくらべると今はずいぶんとリアルな造形の「鉄砲」が小さい時から見られる時代になりました。

店長曰く「うちはオモチャ屋ですから」の言葉がぴったりとくるひと時でした。


こちらはモデルガン(リボルバー)のショーケース


こちらはモデルガン(オート)のショーケース
個人的には好きな音楽を聴きながら手に取ってその感触と造形を楽しむいわゆる「鑑賞派」に属するタイプなのでモデルガンがお気に入りです。
しかし「おもちゃ」と割り切っているので、重箱の隅をつつくような鑑賞のしかたはしませんが。
ちなみにこのケース内の1挺が今回の取材土産となりました。



ショーケースの上に天井まで積まれた箱の数々。この感じも昭和の頃の模型屋を連想させます。


そんな箱に埋もれて半分だけ顔を出していた額縁。味わいある写真(イラスト?)はノルマンディー上陸作戦かバトル・オブ・ブリテンか。機体はスピットファイヤー。


「見てるだけじゃつまらないでしょう。触ってみないと。」とお客様にアドバイス中の店長。このようなやりとりがネットショップにはない楽しさです。
寿司屋での板前さんとの会話もこれに似たものがあるのですが、回転寿司が主流になってからそれもなくなってしまったのは寂しい限りです。
寿司屋では活きの良い話の「ネタ」も料金のうちと私は考えていましたので。


ここは店内の一角にある店長の作業スペース。
ここでお客様の愛銃のメンテナンスが入念に行われてゆきます。この様に店内で修理をしてくれるところは今や貴重な存在で、昔は電気店も時計店もみなこのスタイルでした。


作業机の左側にはたくさんのオーダーメモが。店長の腕の信頼性を証明するひとコマです。

とここまでが店舗の前半分マグナムショップ・むげんの顔。
後ろ半分に入口の看板にもあったもう一つの顔が控えています。


大量のミニカーがディスプレイされているショーケースがこれでもかというくらい所狭しと並んでいて、それは全景を撮影するのが困難な量です。



シェルビーコブラ、スライラインRSシルエットフォーミュラ等々、それこそありとあらゆる車種が整然と並んでいるその光景は圧巻です。
実はこれらのミニカーは西面社長の趣味が高じて集まったものとか。
これであと天井から組み立て済みの戦闘機のプラモデルやラジコンの機体が背面飛行状態で吊り下げられでもしていたらそれこそ昭和の「おもちゃ屋、模型屋」そのものです。

ここで私が気になった商品をいくつか紹介致します。


まずは「イエーゲルマイスターポルシェ」
私も昔作った懐かしい車両です。
確かDTM(ドイツツーリングカー選手権)の車両だったと記憶しています。
スポンサーのイエーゲルマイスターはリキュールの銘柄だったはずです。
当時はこのような情報一つとっても知る人ぞ知るで今のようにネットから簡単に誰でも入手できる時代ではありませんでした。


次はこれです。
右下に見える箱が「ゴールドリーフロータス72C」のプラモデルで、タミヤのプラモデルで人気だった「JPSロータス72D」の前のタイプです。
エマーソン・フィッティパルディのドライブで有名なJPSロータス72Dではなく72Cというところが渋いですね。


最後はこれです。
こちら当時タミヤのプラモデルで人気だった「6輪ティレル」
ロニー・ピーターソンがドライブしたカーナンバー3のダイキャストモデルです。
この頃ほぼ全てのF1が搭載していたフォードDFVエンジンは本当に素晴らしいエンジンで「奇跡のレーシングエンジン DFV」なる書籍も発売されていました。

ここは次から次へといろいろなことが想い出され時がたつのを忘れてしまうまさにそんな空間です。

私達にとってあまりにも居心地の良い場所でついつい長居してしまいました。
お客様も相変わらずお見えになっているみたいなので、そろそろ最後の撮影にはいります。


店長に作業場で銃を構えて頂きワンショット。
家内が「ヘミングウェイみたいな店長だよ」とずっと言っていたのがこのブログを読んでくださっている皆様にもお分かり頂けるでしょう。
店長ご本人もヘミングウェイは大好きだとおっしゃっていました。
そして写真で手にして頂いている「タナカワークス グロック17」が今回のお土産品です。


「おかみさん」にもお土産を持って頂き一枚。
こういう方のいる「おもちゃ屋さん」が私達夫婦は大好きです。


手作り感のある洒落たポイントカードを頂きました。次回伺った時も何かお土産を買ってハンコを押してもらおうかな。(勿論、家内承諾の上でということは言うまでもありません。)
ちなみにカードを撮影したのは後に紹介している喫茶店のカウンターです。

店長、おかみさん、そして少ししかお話ができなかった西面社長、長い時間お邪魔させて頂き本当にありがとうございました。
この素敵な雰囲気をいつまでも残してこれからも町の良い「おもちゃ屋さん」でいてください。

折角なので少し商店街を見て歩きます。
以前私が建設業に従事していたころ蒲田に工事に来ていたことがありますが、その当時から踏切の高架工事などが行われていて、現在も駅周辺の再開発が進んでいるようです。
当時のほうが良い意味で「バタ臭い」町で私は好きでしたが。


今は新しめの飲食店が大半を占めている「あすと」という立派なアーケードです。


そんな中に「貸席 京浜クラブ」などという昭和の香りを残す看板も目に入ってきます。


神戸を思わせるこちらの喫茶店も昭和の名残を感じさせてくれます。


ちょっと一息と入ってみると予想通り私達の大好きな光景が広がっているではありませんか。
私達が喫茶店に入る条件は「雰囲気」こそ最重要項目であって失礼な言い方ですがコーヒーの味などは大した問題ではありません。


照明器具を含むこの雰囲気、最高です。


以前はどんな喫茶店にも必ずといってよい程あった「メニュープレート」


スタバ、ドトールでは絶対に味わえない時が流れます。
開店して50年というその時間は安直な小手先で手に入れることはできない雰囲気と重みを醸し出しています。
むげんさんのポイントカードはここのカウンターで撮影しました。

素敵なひと時を過ごして家路につこうと思っていると家内が「土門見に行かない?」と一言。
そういえば今、写大ギャラリーで「土門拳 路上」という写真展が開催中でした。



毎回土門拳の写真展を観て思うこと「やっぱり土門はいい」

今日の最後に格好良い言葉をひとこと言わせてください。
「土門を見て写真を始め、土門を見て写真をやめました」
私にとって土門拳はそういう人です。

こうして文字通り「趣味は日々の彩り」の一日が終わりました。
蒲田という町に仕事以外で足を運んだことはなく、今回の「むげん」訪問でひとつ足を運ぶきっかけができたような気がしています。
すばらしい一日を私達に与えてくださった皆様、本当にありがとうございました。

SPECIAL THANKS

むげん東京本店



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