2014年11月19日水曜日

冬の夜 古いロレックスを愛でる



20数年前、我が家にふとしたきっかけでこのロレックスはおとずれました。
その時すでに古いモデルだったので恐らく製造されてから現在に至るまで50年程度の月日が流れているはずです。(確か当時日本ではロレックスではなくローレックスという発音だったはず)

サイズはボーイズサイズ。日本では相物(綴りは定かではありませんが「あいもの」)というモデルです。正式なモデル名はROLEXのロゴの下の文字から「SPEEDKING」であることが分かります。
これはロレックスのベーシックモデルで現在も製造されているモデルのはずです。

手巻き、低いビート数、濃い藍色の日付表示がないバーインデックスの文字盤、バーインデックスは3、6、9時の3本のみ中心部分を僅かに膨らませた樽型。
ブレスレットは古いロレックスの特徴でもある側面から見ると「コマ」の折り返しが見えるタイプ。
そして私が古いモデルで最も気に入っている部分が「風防ガラス」。
現在のモデルは耐久性等を加味してクリスタルガラス、表面のシェイプは平面が使用されていますが、この当時は樹脂製の横から見ると丸みを帯びたシェイプの風防が標準となっています。当時はサブマリーナ等のスポーツモデルもこのタイプの風防を採用していてそれが古いタイプのロレックスの味わい深いフェイスに一役かっているのは間違いないと私は思っています。

古いロレックスは時代に関係なく人気を集めているようですが、最近は機械式高級時計のブームが新製品、アンティークを問わずにわかに再来しているようです。


モノマガジン11月16日号 No.725 62ページにも「ANTIQUE ROLEX ON TIME」という特集が組まれています。左の写真はまさに樹脂製の丸みをおびた風防が装着されたサブマリーナですね。

パテックもバセロンもアンティーク物は確かに素敵です。しかし日常使いにするにはあまりにもデリケートすぎるのです。
その点ロレックスは元々が「労働者のための丈夫な腕時計」を標榜して作られたのでアンティークといえどよほど無謀な取り扱いをしなければ十分に実用品となります。
いまだパーツ類も専門店等が相当数ストックしているようなので修理もほぼ可能です。

30年程前、私にも腕時計ブームがありました。その時もやはりモノマガジンやビギン等の書籍ではロレックスの特集が組まれており、穴のあくほど記事を読みふけったことを思い出します。


私はマイルスディビスの「KIND OF BLUE」に関する新刊がいまだ発行され続けているのと何か通ずるものがあるのを感じてしまいます。
釣りは「鮒に始まり鮒に終わる」と言いますが、腕時計はロレックス、ジャズはマイルスに始まり、そして終わるというのはちょっと無理なこじつけでしょうか。

そんな様々な想いを私に与えてくれるロレックスは今日も家内の腕で低いビート数と共に時を刻み続けています。


0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントありがとうございます