去る9月27日(土)、参加者の大きな期待を一身にうけ豊和精機製作所主催エアライフルスクールの第二回が開催されました。
今回の会場となったのはニッコー栃木綜合射撃場。豊和精機さんのホームグラウンドともいうべき射撃場です。トウキョウジュウホウさんの安全射撃大会でもお馴染みですね。
一段低くなったところに位置するバッフル式ライフル射場が実技講習会場です。ちなみにこのバッフル(板状の壁)は弾が上に飛び出すことを防ぐための設備です。
今回のスクールも前回と同様一時間目が座学講習、二時間目が実技講習となっています。そしてもちろん日直(教諭、メカニック兼務)は佐藤氏です。
それでは一時間目の授業に向かってみましょう。
教室はクラブハウス二階の食堂となっています。
階段踊場の鹿のトロフィーが私達を迎えてくれます。
道路事情で始業時間に遅刻してしまった私達は後ろの方から「コソコソ」と教室に入ります。先生に見つかって立たされはしないかと内心ドキドキでした。
受講生は皆さん熱心そのものの眼差しで佐藤氏の話に集中しています。学生時代もこれ位の姿勢で講義に臨めば皆さん主席クラスで卒業できたかもしれませんね。
講義内容はバリエーションに富んでおり、ゼロインから弾頭形状と弾速の関係等々、さらにはエアライフルに多用されているOリングの材質とその耐用年数にまで及んでいました。
また教壇に飛び入りした他誌の取材の方と佐藤氏との漫才風(ごめんなさい)やりとりに会場から笑が湧き上がる一場面もあり、「真剣+和やか」な本当によい講義風景です。
そしてお昼も近づきランチタイム(給食)の時間となりました。
当イベントは「大会」ではなく「スクール」のため表彰というものがありません。それではとお弁当の受け渡しを表彰式スタイルにしてみました。
せっかくこんなに楽しいイベント、すべてを楽しみに変えなくてはもったいないという心の表れのワンショットです。
美味しそうな幕の内弁当です。各自コンビニなどの昼食を持参するより皆で同じお弁当を口にすることがまた同志の絆を深めてゆきます。
お弁当されどお弁当です。ごちそうさまでした。
昼休み中も「先生」の元に質問をする「生徒」が集まります。みなさん普段、猟や有害鳥獣駆除で当たり前に銃を使用しているわけですがやはり疑問点は多いようですね。
二時間目の実技まで少々時間があるので館内を少し見て歩きます。
私達の座っていたテーブルに置かれていた食堂通常営業時のメニュー。
トラックの運転手の方々も喜びそうな満腹メニューが並んでいます。値段もお手頃です。
階段脇に置かれている佐藤氏ゾッコンの女性の木像。モデルは一体誰なのでしょうか。
一階にはアジア大会クレー射撃トラップ競技で銀メダルを獲得した中山由起枝選手を讃える横断幕も。当射撃場で練習している選手のようです。
受付カウンターの足元に何気なく置かれていた栗。恐らく近所で採れたものでしょう。射撃場という緊張した場所に何か和みを与えてくれる光景です。地方の良さでしょうか。
待ちに待った二時間目、実技の時間が近づいてきました。
生徒の皆さんが続々とクラブハウスからライフル射場に移動してきます。
階段上から見たライフル射場です。このようにかなり低い場所に位置していますので風の強い春先のイベント時は複雑な気流に射手は大いに悩ませられるそうです。
射座から見た初秋の陽光に照らされた50m標的です。前回の笠間射撃場と違い写真からも50mの距離感が比較的分かりやすい射撃場となっています。
射撃ローテーション表作成中の副社長と次期社長のお二人。皆に少しでも多くの射撃時間を持たせてあげようと真剣に考慮中です。
その頃、佐藤氏は持参した弾速計の設置に余念がありません。この弾速計、海外製なのかデータ出力の合成音声は英語でした。
今回は海外の実銃試射レポートなどでお馴染みのゾンビターゲットを含む多彩なバリエーションのターゲットペーパーが用意されました。
それぞれ試射の時間を楽しんでいます。あーだこーだと熱心にゼロイン調整に励む人、試射もそこそこ会話に華が咲く人、写真からも和やかな雰囲気が伝わってきますね。
そんな和やかな雰囲気を切り裂くような方を発見。タクティカルな雰囲気で銃を構えて頂きました。
少し逆光気味の写真がまたその雰囲気を助長しています。
そして今回ミニブースを展開していたのがカスタムナイフビルダー「ROCK EDGE WORKS」を主宰する武市氏。
日本人の手にも馴染みやすいグリップ形状や太さ、抜き差しのしやすさ、安全性に配慮したカイデックス製シースなど、日本人ビルダーが作った細かな配慮が光る逸品です。
こうしてナイフに見とれている間も外の射座では「パシュッ、パシュッ」と心地良い発射音を響かせてみなさん思い思いに射撃を満喫しています。
各人がそれぞれのフォームでターゲットを狙います。一発撃つたびに首をかしげる人、小さくうなずく人などそれぞれの頭の中にはどのようなイメージが構築されているのでしょう。
そして万が一、銃にトラブルが発生しても安心です。講義の時は日直兼教諭だった佐藤氏が今度はメカニックになってその場で修理してくれます。かなり面倒くさい修理も対応可の様子でした。
副社長も生徒の指導に余念がありません。このように疑問が生じた時に的確なアドバイスが受けられ、自分では気が付かなかった間違えを修正していけるのがこのイベントが「スクール」である所以でしょう。
こちらで射撃中の生徒さんには佐藤氏お手製ストック付きハンドグリップを使用中のスポッターがついていますね。
このグリップですね。横から見るとこの様な感じです。次期社長にモデルになって頂きました。
「先生」も快音を響かせながらターゲットを射抜いてゆきます。豊和精機謹製、焼き入れで鈍く虹色に輝くチタン製操作レバーが引き立ちます。
今や私達の中で名物シューターの感さえある「自転車の青年」も創意工夫でターゲットを狙います。
電車に乗り、最寄の駅から自転車で射撃場に向かう彼には荷物のコンパクト化が至上命題。
今回のレストは潰した缶コーヒーの空き缶。それをノンスリップマットでサンドイッチしています。
何発か撃つうちに缶が良い感じにフォアグリップの形状に馴染んでくるとのことですが、「荷物は極限まで減らし、可能な限り現地調達」の精神に反するとのことでそのせっかく馴染んだ缶も持っては帰りません。
角度調整はある年齢以上の皆さんにはお馴染みの「単語カード」。これはコンマ数ミリ刻みで高さ調整ができるので優れたアイデアかもしれません。
そんな創意工夫で得られた結果を示すターゲットペーパーを手に思わず笑みもこぼれます。
先の写真でも登場のタクティカルな「狙いっぷり」で手慣れたフォームでターゲットを狙う生徒さん。
ボーダーのロングスリーブTシャツを除けば「ここは戦場?」と疑問を持ちたくなる雰囲気を全身からかもし出しています。
「今日は5発で思う結果が出たからこれで良し」とわずか5発で実技終了!「カッコイー」とは家内の弁。
「紅一点」に熱心にアドバイス中です。実は講義の時間もこのお二人から最も多くの質問が出ていました。
こちらは射撃後に佐藤教諭に指導を受ける生徒さん。佐藤氏は日直に教諭に、そしてメカニックにと大忙しです。
片足を「お膳座り」にした独特のフォームでターゲットを狙う副社長。このように見てゆくと当たり前なのですが本当にそのフォームは千差万別です。
皆さん射撃に集中しすぎて「少し糖分補給をしたいな」のタイミングで前回も差し入れを頂いた「冷たい焼き芋」の登場です。今回も大々好評で一人で何本も召し上がる方の姿も。
私達も食べることに集中しすぎて写真を撮り忘れ、この写真のみお土産に頂いた分を自宅で撮りました。お恥ずかしい。
競技用エアライフル、エアピストルで有名な「STEYR」のライフルを使う生徒さんもいらっしゃいました。
調整式チークピースや調整式トリガー、全体的な雰囲気もまんま競技銃の雰囲気ですがメーカーの中では「STEYR SPORT」の名の通り猟銃のカテゴリーの製品だそうです。
さあだんだん貸切終了の刻限、午後5時が近づいてきました。
急いで撮った集合写真ですが何だか皆さん写真慣れしてきましたね。すごく自然にいい表情が出ています。楽しかった今日一日の思いが全身から溢れています。
時間は刻一刻と過ぎてゆきますがまだ最後の大イベント、次期社長との「ジャンケン大会/景品争奪戦」が残っています。
ジャンケンで勝ち上がった生徒さんは景品の吟味に真剣です。実はこの後、先に紹介した「ROCK EDGE WORKS」さんからウン万円相当のナイフが賞品として寄贈され更に白熱したジャンケンが繰り広げられました。
何とか全行程を終了し駐車場まで上がってきました。何気ないひと時のこのような写真が私は好きです。
「自転車の青年」も帰り支度が整ったようです。いつも撮影しているこの自転車ですが電車に乗る際、折りたたむとこの様になります。
車椅子が真ん中から「薄く潰れて」折畳まれるのと同じ考え方です。さすが車椅子メーカーが考案した「折りたたみ式自転車」だけのことはあります。
そしてまた最寄の駅まで帰って行きました。このケース、やはりどう見てもライフルが入っているようには見えませんね。
こうして第二回エアライフルスクールも参加者全員の笑顔が絶えない中、無事終了しました。
第一回目と同様、参加者の皆さんの研究熱心さに感心させられっぱなしなのは勿論、そしてそんな皆さんからの疑問、質問に淀みなく解答をされてゆく佐藤氏にも同様に感心させられた一日となりました。
またこんな佐藤氏だからこそ毎回若い層も含めこれだけの参加者が一瞬のうちに集まるのだということも実感できました。
これから猟期をむかえてゆくことと思いますがこのスクールで身についたことが少しでも猟場で活かせてゆければいいですね。
今後また機会があり皆さんにお会いできた時、猟の成果などお教え頂ければ嬉しいです。
一日お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
今回諸事情によりブログの公開遅れたことお詫びいたします。
SPECIAL THANKS to
有限会社 豊和精機製作所
ROCK EDGE WORKS
VERY SPECIAL THANKS to
参加された生徒の皆様
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