2014年9月30日火曜日

第74回 ビクトリーショー探訪 - いつも何かに出会い、出合えるその空間



ミリタリー、Gunそして軍装好きな面々が一同に会す第74回ビクトリーショーが9月23日(火) 秋分の日に開催されました。いつもと違い今回は給料日前の祝日開催のため皆さん懐が少々寂しい状況下での開催となりましたが蓋をあければそんなことは何のその会場内では熱い商品奮奪戦が各所で展開されていました。
場所はお馴染み都立産業貿易センター浜松町館です。



いつもより会場入りが遅れたのですが午後2時近くなっても新規エントリーの来場者の方々の列は途絶えることがありません。このショーに対する皆さんの期待度が分かります。
「たまには静かにゆっくり会場内を取材しようか」と思ったのもつかの間、入口付近でいきなり日本人ドイツ兵に捕まってしまいました。


今回はドイツ海軍の装束で登場です。しかし軍装だけはいつもと同じなのですが小脇にかかえていたものが凄いです。


近衛歩兵機関銃隊に祖父が所属していたという貴重な資料で、表紙には「記念写真帳 大正十一年十一月」の文字が見えます。



中には昭和天皇の若き日のお写真なども含まれています。下の写真の方が恐らく祖父ではないかと。巻末には掲載されている方々の名簿もあり当時を知るための歴史的資料ともなるものです。

さて会場内に入りましょう。
ムンムンとした会場内でいつも涼しげな笑みで写真撮影に応じてくださるのは「コレクショヌール」さん。


今回は無可動銃を手にしての一枚です、失礼を承知で言わせて頂くと特別どこが何というわけではないように感じるのですが毎回良い雰囲気を醸し出されています。
本当は何気なくこの雰囲気を出せること自体が軍装の最終到達点なのかもしれません。


こちらは教育書や各種事典、軍事書籍などでもお馴染みの「原書房」さんのブース。
いつも見落としがちですが規模の大小を問わず出版社のブースも各所に見られます。


「カンプバタリオン ! !」さんは毎回広いブースを展開されています。撮影時は電卓を手に商談中の松下総統をはじめ、接客中の後ろ姿の女性「制服を着ていない女子ドイツ兵 ギル女史」の姿も見えます。いつもお客様が絶えない名物ブースの一つです。

ビクトリーショーは出展権利を得るのも難しいほどの人気イベントで会場内は幸運にもその権利が得られた方々のブースでいつも満杯状態です。
そんなブースを柱の陰になっていたりで見落としのないよう会場内は多方向から歩いてみることが大事です。


そんな柱の陰にハイドレーションシステムでお馴染みガイガーリグの輸入元「K-GO LLC」さんを発見。製品に興味を持っているお客様との楽しいやりとりの真っ最中です。


会場内をうろうろしていると他人様のブースで何を熱く語っているのか超名物「この方」を発見。
しかしこの勢い、このパワーがないと生き残っていけないのが現在の遊戯銃の世界なのかもしれません。

もうお一人熱い方がいるブースを思い出しました。


FETを使った電動ガンのピストンコントロールユニットでお馴染みの「キットボーイ」さん。
伺った時もレシーバー部分を手にお客様にピストンコントロールユニットの説明に余念がない様子で、お客様のこの顔の寄せようからその熱心さが伝わってきます。


そして今回の目玉商品がこれ。UZI用ウッドストック。天然木から削り出したという木目も綺麗な製品です。


取付けは六角レンチでネジを一本締めるだけ。アタッチメント部分の精度が良いためこれだけでガタツキは一切ありません。なおこの商品は常時販売しているわけではなくイベント時に少量生産、販売しているだけとのこと。見つけた時が買いの一品です。


あれこれ話している間に「これください」の一声が。最後の一つが幸運なお客様の手に渡りました。
包みが新聞紙というのがまた素敵で我々世代には当時の魚屋さんを思い出させる光景です。


かまえた感じはこのように。私も持たせて頂きましたがチークピース部分の削り込みが絶妙で非常に安定した射撃フォームになります。

そしてお気づきの方もいらっしゃると思いますが上の写真の左隅に日本人ロンメル将軍の姿が。


日本軍も大好きだということで今回のビクトリーショーで手に入れたというウン万円の軍刀を手に一枚。この軍刀、教育委員会に登録されているれっきとした本物です。

そして帽子に張り付いたように装着されている「何これ?」という風情のゴーグル。


アフリカ戦線で撤退してゆくイギリス兵が装備していたという毒ガスの飛沫粒子から目を守るためのゴーグル。ペラペラの塩ビ製ですが当時ロンメル将軍が好んで着けていたということで日本人ロンメル将軍には欠かせないアイテムとのことです。
実物はオークション等で数万円の高値が付いているらしく、今回「カンプバタリオン ! !」さんでレプリカを発見し飛びついたそうです。趣味の世界はつくづく奥が深いと感じさせられます。


「アングス」さんはトップの写真にもあるタクティカルストックアダプターにより416Cストックを装着した東京マルイMP5Kを手に写真に納まって頂きました。
アルミからの削り出しパーツでその精度、質感は最高です。たかが部品と思うなかれ、こういうパーツのクオリティーが銃全体の表情に大きく影響するのです。


最後に登場は「G 小林」さん。伺う回を重ねるごとに各ブースでの会話が長くなり当日も話し疲れボーッとして歩いていると「こらこら、何で素通りするの」と後ろから声をかけられたのが小林さんでした。毎回気の利いたアーリーアメリカンの品々で私達を楽しませてくれますが、今回の品は立派な羽根飾りがついた斧の形を模したタバコを吸うための道具いわゆる「キセル」です。
他のブースとは異色の雰囲気を持つこのブース、私達の密かなお気に入りです。


時刻も午後5時を回り各ブース撤収の準備が開始され先程までとはまた違う慌ただしさが会場を包みます。一日のみの開催ということで毎回これが繰り返されているわけですが各ブーススタッフはさすが手慣れた動きで商品を片付けてゆきます。

ところでこの会場での開催も残すところあと5回程になってしましました。パンフレットによると第80回は台東館での開催が決まっているようです。
たとえ会場が変わろうとこの熱気、パワーはそのまま新会場に持って行きたいですね。
次回第75回は11月16日(日)開催予定となっています。また皆様とお会いできること楽しみにしております。

SPECIAL THANKS to

サムズミリタリ屋

出展各社様

2014年9月12日金曜日

第2回近代3種日本選手権大会 in 千葉 兼 第9回JOCジュニアオリンピックカップ観戦



2014年9月7日(日)に開催された近代3種競技会を市川事務局長および関係者各位の方々のご厚意により取材させて頂きました。
ちなみに私達の一年を通じて最も体力を必要とする取材が本大会です。



会場は選手の方々にはお馴染みの豊かな自然に囲まれた「生命の森リゾート」のグラウンドとプールで当日は雨そして何より気温が低いあいにくの天候となってしまいましたが、早朝から多くの選手、大会スタッフで賑わいを見せていました。
選手の方に聞いてみると雨はさほど問題ない様子。しかし20℃を下回る気温には少々渋い表情でしたが。

今回のブログで初めてこの競技に触れる方々のために競技内容について簡単に触れておきます。

端的にいうと近代五種競技(水泳、射撃、ランニング、馬術、フェンシング)から馬術とフェンシングを除いた種目で競われるいわばオリンピックで近代五種競技を目指す選手達の登竜門的な役割を担う競技となっています。

各種目は以下のように構成されています。

・ユース(13歳未満男女)
 スイム100m~射撃3回~ラン(合計)1,200m
 (ユースのみ射撃は両手撃ちが認められています)

・ジュニア(18歳未満男女)
 スイム200m~射撃4回~ラン(合計)3200m

・シニア、学生(18歳以上男女)
 スイム200m~射撃4回~ラン(合計)3200m

射撃とランは交互(走って撃って)に行われるため選手にとっては非常に苛酷です。

これに公式記録にはならないものの大いに盛り上がる3名1組、射撃1回~ラン600mのリレーが加わります。

興味を持たれた方、来年は参加するぞと思われた方は近代五種協会のホームページをご覧くださいね。

さて開会式まで少し時間がありますので会場内を見て歩きましょう。



今回は日本近代五種協会によるMODERN Pentathlon(近代五種)の体験型スタンプラリーも開催されていて大会に彩を添えています。



フェンシングのブースではちびっ子達のこんなひとコマも。
なかなかの熱戦を繰り広げていました。


雨のためこんなひと場面も。
射撃からランに入るコースの途中に水が溜まる場所がありそこの水かきの様子で、大会スタッフも兼任している選手は大忙しです。


この選手、去年の千葉大会、学連男子優勝者の藤谷選手です。今年のAPSカップ東京本大会でもスタッフとして活躍していました。


しばしくつろぐ近代3種協会市川事務局長とJASG日本エアースポーツガン協会理事長、前田氏。
このお二人もお馴染みの顔ですね。


見慣れた顔の選手も続々と会場入りしてきます。このお二人もAPSカップではお馴染みの選手ですね。


選手達は受付でゼッケンを受取ると少しずつ競技へのモチベーションもアップしてくるのでしょうね。


鹿児島県志布志から遠征参加の選手。本当は明るい秋の日差しの中で走らせてあげたかったです。


雨に煙るプールです。リゾートの名の通りの形をしたプールですが、ここがこれから熱戦の場へと姿を変えてゆきます。



雨のため今年も用具置場のテント内がシューティングレンジとなりました。去年とは射座の配置が90°違っていますがこれが選手達にどの様な影響をもたらすか興味あるところです。
各射座には公式認定競技銃「マルゼンAPS-3」が並びます。


日本近代五種協会旗を中心に配し、選手達の苛酷な競技のエンディング、テープを切るゴール付近からのグラウンドの様子です。日本エアスポーツガン協会の横断幕も見えます。


ここで番外編。
プールとグラウンドを結ぶコースの途中にこんな屋台が。「五種競技たこ焼き」とは何だったのでしょうか。食べるタイミングを逸してしまった残念な一品でした。

そろそろ開会式が始まりました。




日本近代五種協会会長、鈴木氏の挨拶に続き選手宣誓が行われました。
私達一般人には子供の時の運動会くらいしかその想い出はありませんが、こうやって今改めて聞くと何とも言えず身の引き締まる響きが「宣誓」にはあります。
選手達も知らず知らずのうちに真剣な面持ちになっているのが分かります。


開会式に続き各競技についての説明が担当スタッフにより行われます。
APSカップ東京本大会のブログでも紹介したように、「18歳未満の青少年であっても資格を持った指導者の管理下で、安全の確保された限定された施設での使用については公式認定競技銃は有害指定玩具ではなくスポーツ用具として認識する」との見解を東京都より頂いた関係もあり、銃の取り扱い主に「銃口管理(マズルコントロール)」については特に入念な説明がなされていました。



また今日初めて射撃を経験するという選手には大会スタッフの一人であるJASG日本エアースポーツガン協会の鈴木氏からまさに手取り足取りの指導が行われます。



試射の段階ですでに各選手のテンションはかなりのものです。。試射で100発100中くらいでないとランの後の射撃で好成績はむずかしいという心境の表れなのかもしれません。


鈴木氏のレクチャーを受けた選手も初めての射撃にトライです。射撃はやり始めるとはまりますよ。APS大会でもお会いできたらいいですね。





各部門別にスイムから競技がスタートしました。今回わずか19℃ほどの気温の中プールに入りスタートコールを待つ時間が選手にとって最も苛酷な「競技」であったのかもしれません。
しかし一旦スタートがきられれば寒さなど気にしてはいられないという気迫のフォームでゴールを目指します。



スイムを終えた選手がトランジションエリアをぬけ次の種目「射撃」を目指します。



グラウンドに入る手前の坂。シューテイングレンジは目前なのですがこのあたりが一番つらい地点かもしれません。





息上がる呼吸により上下する腕を気合いで一瞬静止させサイトイン、全神経を集中しターゲットを撃ちます。
スイム、ランも勿論素晴らしい競技なのですが私達はピュアブックの性格上どうしてもこの競技に目と心が向いてしまいます。




一回目の射撃を終えた選手がシューテイングレンジを後にし一回目のランに向かいます。
この後射撃~ランを交互に繰り返し、ランは何と合計3,200mの距離を走りぬきます。
まさに「静と動」が組み合わされた究極の競技と言っても過言ではないでしょう。三枚目の写真の選手などかすかに笑みを浮かべているようで苛酷な中にもこの競技の持つ楽しさを感じているのでしょう。さあがんばってゴールをめざせ!!。






息も絶えだえやっとの思いでゴールにたどり着いた選手、ラストスパートをかけてなおまだ余裕をうかがわせる選手などゴールテープを切る選手の表情はそれこそ様々で三枚目の写真の女子選手の微笑みを浮かべながらのゴールシーンが印象的です。
昨年の覇者、藤谷選手は今回もトップでゴールしましたが、先にスタートした学生部門のトップとのタイムにより勝敗が決まります。
※藤谷選手は人数の関係でシニア部門で出走しています。(カテゴリーは学生部門)






ゴール後の各選手の表情です。少し神妙な面持ちの選手もいますが皆カメラも向けると何も言わずとも満面の笑みを浮かべてくれます。
結果に満足できた選手も、できなかった選手もお疲れ様でした。

と言いたいところですがこの後、皆が密かに楽しみにしている「リレー」が残っています。


公式記録にはならないものの、その場で希望者を集いチーム組みが行われるリレーは毎回大人気のようです。選手のリラックスした表情がそれを物語っていますね。
しかしみなさん超元気です。さっきまであれだけの競技をこなした直後ですよ!


リレーは射撃からのスタートなので射座で一斉に銃を構えるその姿は壮観です。



アンカーによるデッドヒートが繰り広げられます。年齢に関係なく混走なのが見ている者を和ませますね。



ゴールの表情も皆楽しそう。藤谷選手もゴール後、六番手から二人抜きしたと言っていましたがその満足度がこのゴールシーンなのでしょうか。
何度も言いますが本当に皆さん楽しそうです。

さてこれで競技は全て終了し残すは表彰式と閉会式のみです。


雨が降り続いているため今回の表彰式会場は「森のホール」で行われました。
「ここは八ヶ岳?」と錯覚するほどの外観をもつ建物です。



内部も楽器を演奏したら音の良さそうな構造の総木造の素晴らしいホールです。
さあ表彰式が始まりました。





各部門男女別の表彰の様子です。競技中はライバル関係にある選手達ですがこの時を迎えると皆、近代3種競技を愛する一人のアスリートとして壇上に上がります。

競技中の写真は全員を紹介できませんでしたので各部門で表彰された選手の写真だけでも全て紹介させて頂こうと思います。


近代3種競技 ユース男子


近代3種競技 ユース女子


近代3種競技 中学生男子


近代3種競技 中学生女子


近代3種競技 高校男子



近代3種競技 高校女子


近代3種競技 学生男子  藤谷選手二連覇達成です。


近代3種競技 学生女子


近代3種競技 シニア男子


近代3種競技 シニア女子


JOCジュニアオリンピックカップ


選手全員が欲しがる「マルゼン賞」


全てにおいて一番盛り上がっていた「リレー賞」

各選手のリザルトは近代五種協会のホームページをご覧くださいね。


こうして第2回近代3種日本選手権大会 in 千葉 兼 第9回JOCジュニアオリンピックは日本近代五種協会 鈴木会長の閉会の言葉で無事終了しました。


最後は恒例、集合写真です。この中から何人オリンピック、欲をいえば2020年東京オリンピックに出場する選手が生まれるのでしょうか。
もしそうなった時このブログがその選手にとって当時を振り返る良い思い出になってくれれば嬉しいですね。

私達にとって初めての近代3種競技の取材であった昨年はちょうど2020年東京オリンピック開催が決定した瞬間での大会であり、また当千葉大会が日本選手権大会となって開催された貴重な第1回大会でもありました。
そして今年の第2回大会にもオリンピックの原動力となりうるであろう若手選手を中心に総勢69名のアスリートが集結しました。
これから刻々と2020年東京オリンピック開催イヤーに向けて時が流れてゆくわけですが、今日集まってくれた選手の皆さんには是非「オリンピック」という志をもって残りの6年余りを過ごして頂ければきっと近代五種競技で活躍する皆さんの姿を自国開催のオリンピックで見ることができると信じています。
雨の中一日本当にお疲れ様でした。来年もこの会場で是非お会いしたいですね。

追記
一日中選手を追いかけご用意頂いたお弁当を食べる暇もありませんでした。
車に戻ってからの遅い昼食です。


こんなに美味しそうな幕の内弁当でした。気温が低いことが功を奏して夕方までおいても傷まずに済みました。
どうもご馳走さまでした。


SPECIAL THANKS to

公益社団法人 日本近代五種協会(MPAJ)

公益社団法人 日本近代五種協会 近代3種委員会

NPO法人 日本エアースポーツガン協会(JASG)

有限会社 マルゼン

近代3種学生連合

VERY SPECIAL THANKS to

参加選手の皆様