2014年8月28日木曜日

第24回 APSカップ東京本大会ハンドガンクラス観戦 - APSが真のスポーツとして認識された瞬間



今年もAPS競技をこよなく愛する選手にとって一年間の集大成の場ともいうべき「第24回APSカップ東京本大会」が8/23(土)・ライフルクラス、8/24(日)・ハンドガンクラスの2日間にわたって開催されました。

なお例年開催会場となっている都立産業貿易センター台東館が改修工事で使用できないため今回は練習会や公式記録会でお馴染みの「すみだ産業会館 サンライズホール」での開催となりました。


少々こじんまりとしたインフォメーションボードですが大会ポスターはその力強い存在感を十分にアピールしています。


向かいの大通りでは亀戸天神の例大祭の神輿がねり歩きこれから始まろうとしているAPS競技とまさに「静」と「動」のコントラストを見せています。
この神輿パワーが各選手に普段以上の力を与えてくれるといいですね。

さてそろそろ会場へと向かいましょう。


大会会場はインドカレー屋さんがあるフロアとしてもお馴染み「8階 サンライズホール」です。


エレベーターを降りるといつも受付を行っている「廊下」のような空間のパーティションが取り払らわれいきなり選手の控え席が眼前に広がります。



神輿に見とれていて会場入りが少々遅れたため参加者の順番待ちの列はなくなっていますがエントリーには関氏をはじめ見慣れた顔が並びます。
家内が尋ねたところ今回は「華」となる女性スタッフがいないとのこと。ちょっと寂しいかな・・・。




そんな気持ちを胸に弾速検査レンジに向かうとちょうど女子選手が検査中。一発で難なく検査をクリアし「チェック済み」シールがグリップに貼られます。
やはり女の子の競技銃はグリップも含め柔らかな色調でオシャレ感が漂います。以前取材したクレー射撃の練習会であるお姉さまから言われた「こういう競技でも女性らしいオシャレの演出は大切よね」の言葉を思い出します。


検査を終えた各選手はグループ別に試射を行ってゆきます。
ちなみに競技の運営ですが前半がオープンサイト部門、後半がフリーサイト部門となっていて表彰式もそれぞれの部門個別に行われます。



そんな中に競技銃のグリップから足元までピンクで統一し、マニキュアの色もカラフルな女の子を発見。
お父さんの指示を受けながらターゲットを見つめる眼は真剣そのもの。このような女子選手がどんどんこの世界に入ってきてくれるとAPS競技に「真剣勝負の中にも華やいだ雰囲気」がプラスされ非常に良い環境が構築されてくるのではないかと思うのは私だけでしょうか。


カメラを向ければこんなチャーミングな笑みを浮かべてくれる素敵な女の子です。
試射の時とは眼が全く違いますね。

そして今回このような18歳未満の年少者でもAPS競技に積極的に参加できるようになった見解を東京都より頂いたとの発表がJASGよりありました。


内容は「18歳未満の青少年であっても、競技用エアースポーツガン(公式認定競技銃)を資格を持った指導員の管理のもと、安全の確保された限られた施設において使用する場合は東京都条例の有害指定玩具ではなくスポーツ用具として認識する」とのこと。

これは本当に大きな一歩でAPSに興味を持ちこれから実際に競技を始めたいと思っている青少年にはまさに願いが天に届いたといっても言い過ぎではないプレゼントとなるのではないでしょうか。

そして東京都からのこの通達を受けたJASGでは「エアースポーツガン安全射撃指導員」制度を発足させスポーツ射撃の健全な育成、普及に更に努めてゆくとの発表も併せてしています。



そろそろ開会式が始まります。前田理事長の挨拶に続きお馴染み鈴木氏による競技における注意事項の説明が行われます。前記した見解を東京都より頂いたことから銃口管理(マズルコントロール)に関しては更に厳格なルールで対処してゆくことも併せて説明されていました。

詳しい競技の概要などについてはこちらをご覧ください。


今回は左からシルエット、プレート、ブルズアイと各レンジが従来と逆配置になっています。この辺がデリケートな競技のAPS、各選手にどの様な影響をもたらすのかも興味あるところです。


すると控え席の方からあまりにも存在感がありすぎの選手がこちらに向かって歩いてきます。
この方、大阪の夏秋ミュージックオフィスの夏秋茂実(なつあき しげみ)さんと言い音楽家の方です。(お名前はれっきとした本名だそうです。)
コマーシャルソングなど多岐にわたり活躍されており作品リストの中には私達がよく知っているコマーシャルソング、ドラマのテーマソング等もありました。國友銃砲火薬店の花火大会の音楽も手がけたとのこと。
そして気になるこの衣装はただの「普段着」で私達のTシャツ+ジーンズと同じ感覚だそうです。


書類の自己紹介欄やラジオ番組のインタビューでは趣味「射撃」と明言しているそうで、立派です。


手元から何からすべてこの雰囲気で統一されています。

各レンジ前の椅子にはそれぞれの面持ちで競技開始を待つ選手の姿があります。


少しナーバスな感じのリスキー氏。


先ほどのピンクがお似合いの女の子。カメラ目線をくれました。


近代3種競技をはじめいつもお馴染みの女性の選手。


「普段着」の夏秋氏も真剣なまなざしでレンジ方向を見つめています。
踵のあるこの靴ではバランスをとるのも大変そうですが。

競技が始まりました。それぞれの選手の射撃を見てみましょう。


リスキー氏。この選手は間違いなく現在のAPS競技を牽引している選手の一人でしょう。バックボーンにも心惹かれる選手です。


水泳、ランニング、射撃を組合わせた複合競技「近代3種競技」に出場している加藤氏。
全ての種目がバランスよくこなせないと表彰台に上がることができない奥深い競技です。
9/7(日)には近代3種千葉大会が開催されるので最終調整に出場されているのでしょう。


こちらの女性も近代3種競技では有名な選手です。「生涯現役」を地でいっているような素敵な方です。


ピンクがお似合いの女の子もシューティングレンジにひとたび入れば男性も顔負けのシューターに変身です。鋭い目つきで15枚のプレートを狙います。


ダットサイトでブルズアイを撃つ夏秋氏。シルエット射撃のプローン(伏射)ではやはり先の尖った革靴では撃ちにくかったとの談話が入ってきました。



ブルズアイ射撃終了後の採点風景です。射撃に満足がいった選手、いかなかった選手みな真剣な面持ちで集計が出るのを待ちます。


残念ながら今回も優勝を逃してしまったリスキー氏。ありきたりながら「残念でしたね」の私の一言に一呼吸おいて「僕にはまだ技術が足りないんだ」と。
はっきりと自信の精神論が語れ、自分の力を客観的に分析できる能力を持ち合わせているこの選手はやはりその学生時代の経験が利いているんだと実感させられました。

個別の競技も終了し残すはグランドチャンピオン戦のみとなりました。



今回はプレス用のサービスカットということで特別にレンジ内からの選手撮影が許可されました。
普段はレンジ内で銃口の前に出ることなど御法度中の御法度なので貴重なカットかもしれません。


激戦を制したのは小林選手。APSをやっておられる方は勿論、ガン&ミリタリーイベントに足を運ばれている方々にも有名な顔ですね。

長時間にわたり熱戦を繰り広げた第24回APSカップも後は表彰式を残すのみとなりました。
そろそろみなさんお疲れの様子で・・・


疲れていてもカメラを向けるといつもの笑顔の前田理事長。


何を話されているのか日本近代五種協会 市川事務局長。

さあもうひと頑張り表彰式に移りましょう。




前半に行われたオープンサイト部門の表彰風景です。
ジュニア賞、シニア賞の表彰もありホビーショップ・フロンティアさんからの「超ヒエヒエ 北極流しそうめん しろくまファウンテン」などの副賞に会場内が笑いで溢れていました。




後半に行われたフリーサイト部門の表彰風景です。
こちらも殊勲賞、敢闘賞などの副賞に「電動かき氷機」や「ふわふわなめらか 台湾スイーツメーカー」などが副賞となっていてまたもや会場大うけでした。

各部門の競技結果はJASG 日本エアースポーツガン協会のホームページをご覧ください。


最後にグランドチャンピオン小林 拓選手の表彰で締めくくられました。


そして恒例の集合写真で第24回APSカップ東京本大会のフィナーレです。
みなさまお疲れ様でした。

「JASG公式認定競技銃が一定の基準を満たした使用に関しては有害指定玩具ではなくスポーツ用具として認識する」との公式見解が東京都から出されたタイミングで開催された第24回大会。
来たるべき2020年東京オリンピックで射撃競技にチャレンジしようとしている青少年にとって大きな励みになる発表だったのではないでしょうか。
また生涯チャレンジできるスポーツとしてレンジに立つシニアの選手、頂点に向かって日夜技術力アップに余念がない本格的な選手、今日が初めてのAPS競技会だという超初心者の選手、それぞれの選手がそれぞれのスタンスでルールさえ厳守すれば「スポーツ射撃」の世界を堪能できるAPSがこの東京都の公式見解を機に更に裾野が広い競技として発展してゆくことを願います。

SPECIAL THANKS

JASG 日本エアースポーツガン協会

有限会社 マルゼン

株式会社 ケーエスシー

VERY SPECIAL THANKS

選手のみなさま


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