2014年6月5日木曜日

浜田銃砲店訪問 - 銃と歴史の素晴らしき宝庫



前回に続き今回もサイトロンジャパンの山田氏に同行し銃砲店を訪ねました。
その店舗は東京・神田で営業されている「浜田銃砲店」。
狩猟をはじめとする射撃をやられている方々には周知の銃砲店ではないでしょうか。

山田氏の同行があるとはいえやはり実銃を取扱う銃砲店への訪問は緊張します。この緊張感はモデルガンショップの訪問では絶対に味わえないものです。

秋葉原駅電気街口から中央通りを蔵前橋通り方面にしばらく歩くと歩道に気持ちをぐっと引きつける看板が目に飛び込んできます。


シンプルに「GUNS AND RIFLES」。ある意味凄味のある看板ですね。

トップの写真にもあるように正面入口の雰囲気は英国のアンティーク物を扱うショップのような佇まいで、看板がなければ銃に興味のない通行人は銃砲店とは気づかないかもしれません。


一歩店内に足を踏み入れるとそこには緊張と寛ぎが同居する空間が目の前に広がります。
向かって左側のショーケースに銃、右側にそれらに付随するアクセサリー等が品よくディスプレーされています。
私達がお話をうかがわせて頂いた浜田社長は店舗の雰囲気そのままに温厚で物静かな語り口がどこかイギリス紳士を思わせるジェントルな方で、話しは浜田銃砲店の歴史はもとより、銃所持許可にまつわること、旧Gun誌の生い立ち、そしてAKB48に関することまで多岐に渡りました。

話しもひと段落したところで少々店内を撮影させて頂くことに。
少しでもその雰囲気を感じてもらえればと思います。


新銃、程度のよい中古銃が林立して飾られている光景は圧巻です。ショーケースも歴史を感じさせるものですが閉店後は前面にシャッターが降り、ガンロッカーと化す構造となっています。


私達にとってベレッタ正規販売店のプレートも目を引くのですが各銃の銃床の木目の美しさには更に目を奪われます。

そして最も目を奪われたのが「本物」のガンブルーです。


ガラスの反射で少し見づらいかもしれませんが、美しいブルーが分かるでしょうか。
五本の銃身が写っていますが左からの三本が「青みを帯びたガンブルー」特に真中の銃身が際立って青いです。
そして右の二本が「赤みを帯びたガンブルー」
ガンブルーと一言にいってもこれだけ差があることが分かります。
ガンブルーは黒錆の一種で本来黒ければ黒いほど上質な仕上がりとされていたようですが、当時は溶液の性能等にばらつきがありそのように仕上げることが困難で青みがかった黒=ガンブルーになったと、どこかで読んだ覚えがあります。
今、ゴルフのクラブなどでガンブルーがもてはやされているようですが、ガンブルーの名の通りこれが本物です。
この実銃の銃身に施されたガンブルー。一般的にはなかなか見られないと思います。

隣のショーケースに目を移すとそこは明治創業の浜田銃砲店の歴史を刻む品の数々が展示されています。





浜田社長が退席された後の撮影のため展示物の詳しい内容までは不明ですが創業者が使用されていたと思われる銃、大会に出場し獲得されたトロフィー、メダル類、当時を偲ばせる無煙火薬のボトル、月刊誌、浜田重五郎氏の名刺等々が所狭しと並べられている様はこれだけでまるで博物館のようです。

そして反対側には各種アクセサリーアイテムがディスプレーされています。



狩猟、シューティングに必要なアイテムが揃っているのは当然ですが、その中には普段使いできそうなアイテムも多々あり一種セレクトショップのようでもあります。
ベレッタのネクタイも置いてありましたし。


私が射撃時には着用義務があるのかと思っていた「シューティングベスト」。(義務はないそうです)射撃場で見ても余り格好良くは見えない、ベストというには微妙な丈のこの一着、しかし一度着るとその射撃のし易さ、便利さが病みつきになるのだそうです。私にも着られる日がくるのでしょうか。


銃保管にはなくてはならない「ガンロッカー」。コンクリートの床や壁にアンカーで固定してしまえばはずして持ってゆくなど不可能そうな見るからに丈夫な作りの製品です。


そしてこちらは入口で番をしながらこちらの方が気になってしょうがない「リコラ」ちゃん。
すごく人なつっこく良い子です。

そしてこちら側の壁にも歴史を感じる物が数々展示されています。


昭和10年のクレー射撃大会の賞状、下の額に入っている円形のカラフルな紙には旧字で「猟友会腕競べ選手競争」の文字が。




創業者と思われる方が銃を製作されていると思しき写真や獲物を多数吊るして愛犬と共に写っている写真、馬上からの射撃での標的(完全な推測です)と思われるものなど一つ一つに歴史的エピソードが感じられる品々に彩られているのがこちら側の壁です。

そして撮影を終了しようと思った矢先に目に入ったのは


最強のライフル弾と言われた.460 ウェザビーマグナムの薬莢。トドの駆除や象のハンティングなどに使われる弾で日本では特例を除き所持許可がおりないという代物です。

そしてある記事で有名になった弾でもあります。


1981年刊「別冊Gun 素晴らしいGunの世界」


箱車上で各種口径のライフルを構え、発射の衝撃で箱車がどの位後退するのかを検証しようと今では考えられないほどの楽しい企画がありました。
結果、他の弾では1mm~55mm程度のところウェザビーマグナムは1.145mmも後退したというもので、上の写真がその模様です。

そして次のページには更に話題となった実験が。


「恐怖の.460ウェザビーマグナム」というタイトルで、射撃をした人間がどれ位の衝撃を受けるかというのを検証したのが上の写真。
右下に書かれたコメントは 「左肩脱臼」、「尾てい骨打撲」、「全治3週間」

確かに眉唾な部分も少々あるとは思うのですが一般の人々に「それほどまでに凄いんだ」と認識してもらうには恰好の企画であったと私は思っています。

古いGun誌でもう一つ目を引くものを見つけました。


1964年12月号


浜田銃砲店の創業者である浜田重五郎氏にはお二人のご子息(長男の喜三郎氏と次男の文次氏)がおられ、神田にて従業されていました。戦後、浜田文次氏が神田から離れ、大船にて開店した店がこの広告の浜田銃砲火薬店です。

歴史の宝庫、浜田銃砲店を訪れたことでまた実銃の世界に浸ることができました。
日本という銃の所持が基本的に認められてはいない国でこれから銃の所持許可を取得しようとしている人達は行動を起こす前に物怖じせず一度銃砲店に足を運び、日本の銃事情などについてレクチャーを受けるのも良い経験になるのではないかと思います。
自分は銃の所持許可を絶対に取得したいんだという強い思いで銃砲店を訪れれば店主の方々は決して嫌な顔をせず相談に乗ってくれることでしょう。


最後の写真は秋葉原電気街口にある「AKB48 CAFE&SHOP」
なぜこの写真かというとAKB48のメンバーの一人が銃の所持許可に挑戦中と浜田社長からお聞きしたから。妙なところでいろいろと繋がっています。

最後になってしまいましたが
浜田銃砲店 浜田社長、鈴木貴広店長、サイトロンジャパン 山田様 
お忙しい中、お時間をとって頂き本当にありがとうございました。
私もいろいろとがんばります。

有限会社 浜田銃砲店 (http://www.hamada-and-son.com/)

株式会社サイトロンジャパン (http://www.sightron.co.jp/)



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