2014年4月21日月曜日

サイトロンジャパン訪問 - ベレッタは素敵だ



各イベントでお馴染みのサイトロンジャパンさんに家内と共にお邪魔しました。
つい先日もトウキョウジュウホウさん主催の射撃大会でご一緒させて頂いたばかりで、その盛り上がっている気分も冷めやらぬタイミングでの訪問となりました。

新宿区にあるその独特な意匠の社屋は細い路地を入った所にひっそりと佇んでいました。
建築関係の方が時折訪ねてこられるというのも納得できる外観です。


家内曰く「電車からはよく見ている」とのことですが、歩いて行くと本当に「ひっそり」という言葉がピッタリとくる環境です。

予めお断りしておきますが、今回伺ったのは社屋(事務所)ですので一般の方々の訪問は不可ですのでご注意ください。

今や各イベントでサイトロンの顔ともいえる山田氏に迎えられ早速社屋に入ります。
半地下になっている、上から見下ろせるような独特な形状のフロアで製品を見せて頂いたり、お話を聞くことになりました。

その壁面には様々な製品が良い意味で雑多に並んでいます。
男の趣味の部屋という雰囲気です。好きな物はいつも手の届くところに置いておくというような。


こちらの棚はワルサーのフラッシュライト類がショップのように整然とディスプレイされています。
Gun好きにとってやはり「WALTHER」というのは特別な響きがあるのではないでしょうか。


こちらの棚はサイトロンの双眼鏡やスコープなどの光学製品が並びます。

そして男として最も楽しそうな棚はこちらです。


取り扱い商品のダットサイト、模擬銃、エアガン、天体望遠鏡らしき物、そして私物のマルゼンAPS-1グランドマスターの姿も見えます。
男の部屋という雰囲気で楽しい一角です。

棚ばかり見ていないでそろそろ主だった製品を見せて頂きます。

まずはベレッタ製シューティンググラスです。


今回見せて頂いたのは、私達が一番興味のある「RACE」というシリーズのクリアとイエロー。


このシリーズはサイドまで回りこんだレンズにより広い視野を実現しており、耳に当たる部分のツルはソフトな材質で長時間の使用にも耳が痛くなる心配も少なくなっています。
またシュータータイプのサングラスではお馴染みの耳に回りこむツルの形状で激しい動きにもグラスがずり落ちるという心配もありません。
レンズの材質は勿論、軽さと強度に優れたポリカーボネイト製で、当然実銃にも対応しています。
そしてなんと言ってもそのデザインは「イタリア」です。

右上に写っているのは付属の専用ポーチでこれまた「BERETTA」のロゴ入りで所有に満足感がプラスされます。
さらに気が利いているのはポーチの中にグラスを収納する巾着袋が付いていて、その素材はクリーニングクロス素材なのでグラスの汚れ除去にも使用できます。(中にしまった状態でレンズ表面が拭けます。)
その袋も勿論「BERETTA」のロゴ入りです。
これで一万円を大幅に切る金額というのは嬉しい限りではないでしょうか。

実は私達がシューティンググラスにこだわっているのはAPSの大会や近代五種、3種の取材時にルールや安全面でも一つは持っておきたいという気持ちが以前からあったためです。

そのようなことで一つ購入させて頂き、撮り忘れていた部分があったので自宅で撮影したのがこちらです。


レンズとツルの接合部分には「スリーアロー」のプレートが左右に付いています。
どこを見ても隙のないデザインはさすがイタリアを感じさせます。


こうして飾っていつまでも眺めていたくなります。素敵です。

次にお見せ頂いたのはこちらです。


真打登場。ベレッタの散弾銃Model 692です。写真で見たことはあるものの実物を見るのは初めてです。
その存在感たるや強烈で、トイガンとはその全てが違います。違いすぎます。


弾を装填する部分のうろこ状の打刻やエッジが利いたその断面など金属加工にあまり興味のない人が見てもその素晴らしさは実感できることでしょう。木部の素材はウォールナットです。


こちらは銃口に取り付けて散弾散開パターンをコントロールする「チョーク」というパーツ。
内径の絞り方により散弾が散開を始める距離をコントロールする部品とのこと。
一本一本に入れられた「BERETTA」の文字が光ります。


外箱やキャリングケースも当然のことながら格好良く、家内は「箱だけでもいいから売ってないのかしら」と言っておりました。それほどに魅力的な一品でした。

そして次はこちら。


M92A1を模した模擬銃「ブルーガン」。樹脂で作られた実銃と同じ重量とバランスをもった無可動銃(いわば文鎮のような物)でシューティングのトレーニング用です。当然20mm幅のアンダーレールも再現されておりマガジンも空の重量の物とカートリッジがフルロードされた重量の物が二本付属しています。
紛れもないベレッタ製です。(いわば本物ですね)


パッケージを見るとトレーニング用と明記されています。ブルーガンだからかM92A1がB92A1となっているのがお茶目です。

次はこちら。


サイトロンさんに新しく仲間入りしたフラッシュライトの雄「シュアファイアー」。
タクティカルライトとしてはあまりに有名です。
私が30年ほど前に購入した頃ははっきりした代理店もついておらず、予備電球一つ買うのも大変でした。今回のようにしっかりとした代理店ができたことは高額な商品を購入するにおいて大きな安心になるのではないでしょうか。
しかし、30年前と価格がほとんど変わっていないので、当時いかに高額なフラッシュライトだったかが分かります。(電球の連続点灯時間は20分でしたし)


右から二本目のライトは指でツバの部分を挟むようにして親指でスイッチを押す、昔からある定番のコンバットライト。LED化されたとはいえ、このデザインは今だに継承されているのですね。
そして手前にあるのがハンドガンのアンダーレールに取り付けて使用するウェポンライト「X300 ULTRA」。付属のパーツに交換することでピカティニーレールにも対応可とのことです。

ハンドガンに実際に装着したのがこちら。


B92A1に取り付けてみました。射撃こそできませんが本物が本物に装着されているということです。

装着つながりで次はこちら。


コンパクト、高性能で各イベントでも紹介されているドイツ製「DOCTER」のダットサイト。
TRGのM92Fに装着してみました。手タレは山田氏です。

ちなみに「TRG」とはトレーニングラバーガン」の頭文字で鉄製のコアをポリウレタンゴムで包んだ成型品で格闘や行動訓練に用いられるそうです。
重量はカートリッジをフルロードした時と同じになっています。ハンドガンだけではなくライフルなどもあり、実際に持たせて頂くと「実銃ってこんなバランスでこんなに重いの」という印象でした。

次はこちら


サイトロンの看板商品ライフルスコープ。写真の製品は「SⅠ4-12×40」
眉唾○○○さんに「この内容でこの価格は安すぎるよ」と言われたという逸話がある一品です。

最後はこちら


「SD-33 ミリタリーダットサイト」(手前)と新製品の「SD-33ミリタリーダットサイト“BLUE EYE”」(奥)
イエローベースのレンズに珍しいブルーのドットと屋内や曇天の屋外でターゲットを捕捉しやすい仕様となっています。

ライフル、スコープ、これらに付随する多岐に渡る様々なアクセサリー類に今回新たに「シュアファイアー」という押しも押されぬブランドのタクティカルライトがラインナップに加わったサイトロンジャパン。
これでますます実銃、トイガンの世界で「トータルなコーディネイト」ができるメーカーとして揺るぎない立ち位置が形成されたように感じられました。

お話を聞き始めるとあっという間に3時間が経過していました。私達の拙い質問に嫌な顔一つせず丁寧にお答え頂いた山田氏、また業務スペースを長時間に渡り使用させて頂いたこと本当にありがとうございました。
また何か心をわくわくさせられる物を見に伺いますのでその時はよろしくお願い致します。





2014年4月9日水曜日

トウキョウジュウホウ主催 第12回FT空気銃安全射撃大会観戦




2014年4月5日、今年もまたこの季節がやってきました。トウキョウジュウホウ主催、空気銃射撃大会の季節が。
家内共々、昨年始めて本大会を観戦した訳ですが何せ初めて入る射撃場、空気銃といえども私共にとっては「実銃」というその響き、周囲にこだまするクレー射撃の銃声と何から何まで新鮮な興奮で、参加者の方々との会話もままならず、後から「もう少しあの辺りも見ておけばよかったな、聞いておけばよかったな」との自身の反省も多くありました。
その辺りを踏まえ今回はできるだけ参加者の方々との話しにも重点をおいた観戦にしようと会場へと向かいました。
しかし、当ブログはこれからエアライフルを始めてみようと思われている方、トウキョウジュウホウさんの銃を購入して本大会に参加してみようと考えられている方々が読まれても分かり易いように進行してゆこうと思います。
(何せ書いている本人が素人ですからおのずとそうなってしまうのですが・・・)

まずは毎年会場となっている「ニッコー栃木綜合射撃場」について少々。場所は東北道、栃木インターより程近い場所にあり、高速を降りた道順も簡単なのでまず迷うことはないでしょう。

http://www.nikko-tochigi.com/


入口にある看板です。まだ「アルバイト募集」の看板も付いています。近くに住んでいたらちょっと働いてみたくなります。


昨年は「爆弾低気圧」の通過ということで不安定な天候でしたが、今年は風が少々強かったものの素晴らしい好天に恵まれました。見頃の桜が参加者を迎えます。


管理棟を見てビックリ。昨年までの昭和レトロな建屋が一新されていました。
個人的には前の建屋のほうが断然好みでした。今回写真に収めようと楽しみにしていたので少々残念です。(利用者にとっては快適なことが何より大事なのですが)

去年あった鹿のトロフィーもなくなってしまったかなと思いつつ中に入ってみます。


ありました、ありました。二階への階段の踊場の壁から我々を見下ろしています。家内共々笑みがこぼれます。


そして受付横の壁にはこれもまた昭和チックな木製プレートが。
これを模したワッペンやステッカーはお土産として購入も可能です。

管理棟を出て会場となる右手奥のライフル射場に向かいます。


ライフル射場は急な階段をおりた一段低い位置にあり、これは階段最上段からの風景です。
バッフル式射撃場という区分だそうです。

さて射場に降りてみましょう。



射座から見た光景は一種独特で、好天でコントラストが強いと更にそれが強調されます。恐らく実銃の世界を知らない人は恐らく一生目にしない光景であり、我々が良く訪れるトイガンの大会とは当然ですが余りにも次元が違い、特に上の写真など一種独特な緊張感が漂います。


壁に貼られたこのような看板を見るとその感が一層強くなります。




開会のミーティングも終わり、そろそろ射撃が始まります。今回も50m、100mの試射、本射で大会が進行されて行きます。参加選手の愛銃達のワンカット。

さあ射撃の開始です。






独り言を言いながら撃つ選手、自分一人の世界に入り静かにターゲットと対峙する選手など射撃スタイルは様々ですが、スコープを覗くその横顔は皆真剣そのものです。

そんな中、一際鋭い発射音を響かせている選手がいましたので、お話を聞きつつ一連の写真を撮らせて頂きました。


こちらの銃がそれです。お話によるともう十年以上愛用されているとのことで、ご本人曰く「もう精度も落ちていてだめだよ」とのことでしたが、我々にとってはその発射音と風貌に魅力を感じる一挺です。レストスタンドも車のパンタグラフジャッキを流用したりと、この辺りも改造好きな我々好みでしょうか。
そしてその鋭い発射音は、今の銃と違い銃身を覆うアウターバレル(正式名称は分かりませんが)と先端のシュラウドがないことにより、発射音がダイレクトに大気開放されるためようです。


エア注入の様子です。ボンベを使えば一瞬でチャージ可能ですが、自転車の空気入れのようなハンドポンプを使って人力でのチャージも可能です。(見ていると結構体力勝負な感じです)
左手付近に細い銃身が見えていますね。

マガジンに弾を装填し


コッキングレバーを引きサイトイン、発射。やはり鋭い音です。


せっかくなので弾の写真も撮らせて頂きました。
FX社製 エアーライフル用ペレットです。
蓋のラベル上部に「22CAL、5.52mm、16GRAINS、1.030g」の表記が見えます。
うーん、格好良い!!たまりません。
トイガンの世界には絶対ない表記です。

そしてライフルスタンドの天板に何気なく目をやると


使用前と使用後のペレットが。50m先でこの潰れ方の威力。やはり実銃です。

次にご紹介するのは前回見られなかったターゲットペーパーを取りに行く通路。


レンジを縦断する地下通路「的壕通路」


初めて見る者には何となく怪しい雰囲気を感じさせる通路の入口です。


内部はこのように一直線に延びている管路です。直前に見えるのが50mターゲットのある位置。
更に50m歩を進めると100mのターゲットがあります。



レールで上下するターゲットボードをおろし各選手のターゲットペーパーを剥がします。
今、剥がしているのは50m競技に使用されるクラッシュターゲットです。
当然の如く各選手、自身のポイントは気になる様子で、剥がしたその場で入念に確認していました。



そしてまた新しいターゲットをハンドタッカーで取り付けてゆきます。
ボードの各口径の弾痕が実に生々しいです。


そしてボードを上に押し上げターゲットの準備完了です。
一連の作業は全て人力で行なわれており少しビックリしました。ボードの上げ下げくらいは電動かと思っていましたので。
しかし聞くところによるとアメリカなどではこの設備すらめずらしく、射撃後は皆でレンジ上を走ってターゲットを取りにゆくそうです。

それでは少し大会本部を覗いてみましょう。


採点などを担当しているトウキョウジュウホウさんの三人娘の方々。
覚えることがたくさんあって大変な日々だそうです。家内のポラロイド撮影練習の被写体にご協力頂きありがとうございました。



今年もサイトロンジャパンさんがミニブースを展開していました。スコープ、双眼鏡などお馴染みの製品群が並びます。こういう場で見ると妙に各製品がしっくりきます。

http://www.sightron.co.jp/


こちらはドイツ製、DOCTERの小型ダットサイト。軍隊や各種シューティングマッチに使用されている実績を持つ逸品です。


こちらは新しく代理店になられたタクティカルライトでお馴染みのSUREFIRE。今回新たにソニックディフェンダーなる医療用ポリマー樹脂を使った「耳栓」をラインナップ。
補聴器のような形態でいかにも耳馴染みがよさそうで射撃の際には重宝しそうです。


そしてこちらは各イベントでお馴染みの山田氏。選手の方からの質問にも丁寧に答えられていました。


こちらはトウキョウジュウホウさんが輸入されている新型、ブルパップ式狩猟用エアライフル「FX Bobcat」。
グリップより後に機関部が配置されたブルパップ式は全体がコンパクトに設計できるのが特徴。軍用銃ではすでにお馴染みの形態です。
機関部が後に移動したため前後バランスも良く片手での保持も可能なようです。
何よりもフィールドを移動する際に小型というのは取り回しも含めて大きな魅力ではないでしょうか。この銃に関しての詳細はGun Magazine 2014年2月号56~57ページに紹介されていますので興味のある方はそちらもどうぞ。

http://www.guns.co.jp/


狩猟用といえどもトリガーなどは上下方向の位置調整が可能なようで、この部分及び深く入れられたグリップのフィンガーグルーブだけを見ていると精密射撃用のライフルを思わせます。
何となくスナイパーライフルのようで私好みです。

では実際に片手で持った写真を一枚。


モデルになってくださったのはこの銃を販売されている眉唾銃砲店こと豊和精機製作所の佐藤氏。
話していてとても楽しい方で、射撃指導員でもあります。

http://www.howaseiki.com/airrifleyouhincart.html

実射模様はこのような感じです。


銃共々ばっちり決まっています。レストスタンドには「眉唾銃砲店」のステッカーも見えます。

次は採点風景です。


手前が50m競技用のクラッシュターゲット。上が100m競技用の名前は忘れましたが当たると色が変わるターゲット。Gun Magazineの実射テストでもお馴染みですね。


和気あいあいの大会ですが採点の時だけは皆真剣そのものです。これはトイガンの大会の時も同じですね。


「ど真中」にヒットしている選手もいました。やはりうれしいです真中は。
他にも「試射の時は上々の命中率だったのが本射ではメタメタ」など楽しい会話があちらこちらから聞こえてきました。皆さん本当に楽しそうです。

そろそろ表彰式に移ります。


三人娘が記入する集計用紙を前に表彰式を待つ選手の面々。皆さん満足のいく射撃はできたのでしょうか。




1~3位の選手の表彰風景です。昨年も表彰された選手の姿も見られます。


優勝 米内氏  準優勝 笠島氏  3位 山田氏

山田氏は皆から「先生、先生」と慕われている昨年の優勝者です。

次は恒例の場所で集合写真です。


自然に笑みがこぼれます。春の日差しが眩しい本当に良い一日となりました。
この写真を見ると、この方々にお会いできるのはまた一年先なのかと少し寂しい気持ちになります。

さてラストはお楽しみ抽選会です。


今回もトウキョウジュウホウさんよりたくさんの景品が用意されました。


中にはBuck 社の限定発売モデルも。デッドストックの貴重な一品のようです。


男臭い景品に混ざってレディース賞は何と「カプチーノカップセット」。バラエティーに富んだチョイスです。



「違うところに手を突っ込むなよ」との暖かい声援を背に抽選券を引く選手の面々。楽しいひと時だったのではないでしょうか。

こうして春の日のイベントは楽しい余韻を残し終了しました。
選手のお一人が「猟期も終わったこの時期にこういうイベントは本当に皆の楽しみになっているのでは」と言っていました。
普段一人で山に入っている同好の志がトウキョウジュウホウというつながりのもと一堂に会せるのがこの大会の何よりの楽しさであり魅力でしょう。
それだからこそ和気あいあい、アットホームな雰囲気で、私達のような部外者がお邪魔しても居心地が良いのは当然な気がします。
今回は風が強く、条件的に厳しい部分もありましたが事故、怪我もなく無事イベントが終了できて何よりでした。
また一年後、今よりも更に腕を磨いた皆様にここでお会いできることを楽しみにしております。
本日はみなさまお疲れ様でした。

最後になりましたが、拙い私達にいろいろとレクチャー頂いた選手の皆様、関係者の皆様、そしてトウキョウジュウホウの皆様本当にありがとうございました。


追記

帰ろうと車に向かう途中に会った選手の一人です。





この折りたたみ自転車で最寄の駅まで行き、そこで自転車をたたみ電車でGO!ということらしいです。
背中にはカラフルなバッグに入ったライフルを背負って。普通の人はギターのところ、こちらは「実銃」ですから。家内曰く「いやー。素敵!!」
来年もお会いしましょう。