2013年10月16日水曜日

ハイエンドショウ トウキョウ2013 AUTUMN & WINTER



去る10月11日~13日の3日間、有楽町「東京交通会館12階」で行なわれたハイエンドショウ2013 AUTUMN & WINTERを家内と共に訪ねた。

例年であれば春、秋2回の開催であるが今年の春は「諸般の事情」ということで急遽開催が中止となったことはオーディオファンの方々はすでにご存知だろう。


今回訪れるきっかけとなったのは我家で進行中だった「オーディオの断舎離」もマランツ7と8Bをトライオードのインテグレーテッドアンプに入れ替えたことでほぼ完了し、その新規導入したトライオードが出展するということで「ちょっと覗いてみようか」的な思いからである。

このショウは入場無料なので入り口でパンフレットとアンケート用紙を受け取りすぐに会場内に入れる。そしてトライオードがデモンストレーションを行なっている「A Room」に向かう。


ちょうど13:00からのデモンストレーションが始まったところで代表の山崎氏が3極管を手にその仕組みを分かりやすく説明している最中だった。
説明の合間合間に試聴タイムを設けての進行であったが、その演奏時間もほど良く手際よくデモンストレーションが行なわれていた。


今年が創業20周年ということだが、ビギナー向けからハイエンドまで圧巻の製品構成である。
やはり「継続は力なり」でひたすら「真空管」機器を追求していった結果であろう。
我家のアンプもそうであるが、必要以上の発熱もなく「余裕をもった動作」であることが実感としてよく分かる。そしてサービスを担当している方々の電話での応対も良い。この様に製造者の顔や姿勢が見える製品が一番安心なんだということを我々に教えてくれる数少ないメーカーの一つだと思う。



ブースの左手にはトライオードの基本理念である「作る楽しみ」を具現化しているキット製品も展示されていました。
特に下の写真TRK-1(プリアンプ)は信号回路を手配線としたモデルでマニアの方々からも歓迎される新製品ではないでしょうか。勿論ファクトリー組み立ての完成品もありそちらをチョイスすることも可能です。近日発売予定となっていました。


そして気になる製品をもう一つ。トライオードが日本総代理店をつとめる「PSVANE」の真空管。中国製真空管の「安かろう悪かろう」の図式をくつがえすに十分なクオリティーがその外観、仕上げからも確認できます。
ヴィンテージ管を寿命のことを気にしながら日々使用するより性能、品質共に飛躍的に向上した現行管を使用することに躊躇なく移行できる実力をもった真空管ではないでしょうか。


そしてもう一つ光城精工のアクセサリー群。ちなみに光城精工の製品はトライオードが発売元となっています。


左手前にあるケーブルとピンプラグのセットが今年冬に発売されるという好みの長さに切ったシールドケーブルに初心者でも「あっという間に」プラグの取付け加工ができてしまうという優れもの。
3mのケーブルとプラグ8本のセットで10,000円弱とリーズナブルな価格設定です。

そして中央にある黒い筐体2つ。電源からのノイズをカットする「ハムイレーサー」と電源ON時の過大突入電流を軽減する「ソフトスターター」。
ソフトスターターは私自身も導入し使用していますが、真空管に対する電源ON時の精神的ストレスが激減します。特に高価な球を使用されている方や、エージングが進み良い音色になってきた球を少しでも長く使いたい方などには特にお勧めです。


魅力的な製品を続々リリースするトライオード山崎社長と会場を訪れていた魅力的な女性とのツーショット。これからも「ほほー、なかなか良いね」という気持ちにさせる製品の開発に尽力なさってください。

そしてトライオードのブースの右手に目を向けると。


洒落た佇まいのアナログプレーヤーが一堂に会している、昨年よりトーレンスの輸入代理店になったバラッドのブースです。
バラッドといえば私の大好きなアルテック604系のユニットを使ったスピーカーシステムや、ムジークエレクトロニク・ガイザインのモニタースピーカーで有名な会社ですね。


「オーディオの断舎離」でアナログプレーヤーも断舎離した我が身ですが、家内共々気になってしまったプレーヤーがこれです。TD 295  Mk.Ⅳ
コンパクトで落ち着いた品の良いスタイル。その昔TD 124というターンテーブルがそうであったようにトーレンスとは本来このようにさりげなく気品あるデザインが魅力。
マホガニーとピアノブラックの2種類の仕上げが用意されている33/45回転対応、トーレンス伝統のベルトドライブセミオートプレーヤーです。


そしてもう一台がこれ。TD240-2。
ボードの角が面取りされ、その色とも相まって柔らかさが感じられるたおやかなデザイン。
ウォールナットとピアノブラックフィニッシュ。33/45回転に加えTD124からの伝統78回転にも対応したベルトドライブフルオートプレーヤーです。

このようにデザイン的、メカ的そして勿論音質的にも優れたトーレンスのプレーヤーが標準価格で150,000円を切る価格で入手できるのです。
私はもうガラードやEMT神話から脱却しても良いのではないかと思うのですが如何でしょうか。

こんなヴィヴィッドなカラーのモデルもありました。


トーレンスの伝統とモダンが美しく融合したTD 206。33/45回転対応、ベルトドライブマニュアルプレーヤーです。


そしてTD 158。トーレンスのプレーヤーが何と55,000円程で入手できます。オーディオには取り立てて興味はないものの、レコードは聴きたい。そんな方々にも伝統のトーレンスを。
33/45回転対応、ベルトドライブフルオートマチックプレーヤー。





ショーケースの中には昔からお馴染みのレコードスタビライザーやフォノイコライザーアンプ、アナログレコードならではのクリーニングセットなどが。
写真にはないのですがコルク製のターンテーブルシートなどのつぼを押さえたアクセサリー類も健在でした。

そんなバラッドを率いる佐藤社長


バラッドのロゴよりもプレーヤー達を一緒に入れてくださいと言われたショットがこちら。
私達お気に入りのTD 295がすぐ隣になるように撮りました。
普段は音響関係の現場でヘルメットを被り陣頭指揮をとることもしばしば。朝礼のラジオ体操もお手の物とのことでした。
家内がロバート・キャパのようだと言っていたこの風貌からは想像できませんね。

なおバラッドが取扱うオーディオ機器や音楽ソフト、書籍などをおしゃれに楽しめるスペースが秋葉原駅から徒歩5分ほどにあるそうです。
名前は「Le Tabou」
詳細は下記を。

http://www.letabou.jp/

他のブースで目に止まった製品をいくつか。


イケダサウンドラボズのトーンアーム。精度感溢れるその作りは素晴らしいものがありますが、価格もそれなりにしてしまうのでおいそれとは手が出ないのは昔と変わりません。


光量の変化で発電する光カートリッジ。カンチレバーの動きがMMやMCカートリッジのように磁界に影響されないのが最大のメリットとか。
私がオーディオを始めた頃、同じ方式の物があったような気がしていたら、やはりトリオ(現ケンウッド)が「光電式カートリッジ」という名称で商品化していたとカタログに記載されていました。

今回久しぶりにこのようなオーディオショウを訪れて真っ先に感じたこと。
来場者の年齢層が格段に上がっていました。私も含め言葉は悪いですが「年寄りの趣味」になりつつあることが事実として重くのしかかってきます。
オーディオ全盛期のオーディオフェアなどは中高生(私もその中の一人)で溢れ、普段手に入らないカタログを無心で集めていた光景が今でも思い浮かびます。
我々はどのようにすれば次の世代に「オーディオ」という素晴らしい趣味をバトンタッチできるのかを真剣に考える時に来ているようです。

今回のハイエンドショウは音元出版が不参加でそれが心なしか寂しい感じを助長していたように思えます。評論家の方々を招いたり、個々のメーカーにスポットをあてイベントを行なってみたりと終日、音元出版が入る「部屋」は立ち見が出るほどの盛況振りでしたから。是非復帰を願ってやみません。

来年も各メーカーの皆様とお会いできること楽しみにしています。必ず伺いますので。





0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントありがとうございます