7月14日(日)に開催されたJASG主催、第23回APSカップ東京本大会(ハンドガンクラス)を家内と共に観戦に行って来ましたのでその報告です。
6月16日にフロンティアさん主催の公式練習会に続いてのAPS競技会の訪問となりました。
今回も初めてAPS競技をご覧になる方々に会場の雰囲気、競技会の流れなどが少しでもよく伝わるようにと当ブログ過去最大数の写真と共に紹介してゆこうと思います。
こんな私もAPS競技会観戦は今回で2度目ですのであまり大きなことは言えないのですが・・・。
何度か見ていれば分かってくるものです。初めての方もそんな軽い気持ちで読み進めて頂ければと思います。
会場となったのは都立産業貿易センター台東館 4階特設フロアです。8:40開場ということで私達も早朝出発で会場へと向かいました。
会館入り口の掲示板には大きく大会案内が出ています。主催:JASG、共催:マルゼン、共催協力:KSC、協力:コンバットマガジン、月刊Gun Magazine、SATマガジンの大会です。
余談ですが台東館は浅草寺に隣接しており観光スポットど真ん中の会場です。
4階の窓からは五重塔もこの距離で見えます。地方からの参戦の方々は東京みやげを買うには絶好のロケーションです。
では早速会場となる4階へと向かってみましょう。
エレベーターを降りるとすぐ正面が会場です。まず参加選手はENTRYで受付をします。コンバットマガジンさんからの祝花が映えるレモンイエローの受付はちょっと見には射撃大会会場とは思えない雰囲気です。
受付が終わるとENTRYのすぐ横の「銃検査」ブースで使用銃の弾速検査を行います。この段階から各選手真剣な面持ちです。まず最初の関門ですからね。
ここでAPS競技について少々説明しておきます。
まず公式練習会のブログでも紹介したように、競技は「ブルズアイ」「プレート」「シルエット」の三種目で構成されています。
詳細はJASGの公式ホームページをご覧いただければと思います。
http://www.airsportsgun.com/index.cgi?d=002index&e=
これらは更に「オープンサイト部門」と「フリーサイト部門」の2部門に分かれており選手はどちらの部門に出場するかを選択します。
オープンサイト部門 : 眼とターゲットの間にレンズ等の一切の光学機器類を持たない「素通しのサイト(照準器)」のみ使用が許可された部門です。
フリーサイト部門 : スコープ、ダット(ドット)サイト、レーザーサイト等あらゆるすべてのサイト(照準器)が使用可能な部門です。
(以上、2013年版レギュレーションブックより抜粋)
これら競技に関するルールは「公式レギュレーションブック」に詳細に記述されており、競技はこのブックに則って開催、運営されます。
参加選手全員に配布された2013年版レギュレーションブックです。各選手は内容を熟知の上、競技に参加します。このように書くと何だか堅苦しく、難しく感じますが極当然のことが記載されているだけなので、これからAPSにチャレンジしようと思っている方々も恐れるには足りません。
今回はオープンサイト部門 : 95名がOA 、OB 、OC の3グループに、フリーサイト部門 : 58名がFA 、FBの2グループに別れ競技が進行されました。
さてそろそろ会場へと戻りましょう。開会まで少々時間があるので会場内を見て歩きます。
試射用のレンジです。オープンサイト部門の選手から先程のグループ別に一人5発程度の試射を行います。
試射の様子です。銃が本調子でないのか、はたまた自分自身が本調子でないのか首をかしげている選手も見受けられました。
ブルズアイ競技のレンジです。参加人数が多いため1~7までのレンジが用意されています。公式練習会の時と違いそれぞれパーテションで仕切られており、隣を気にせず射撃に集中できそうな環境です。
プレート競技のレンジです。こちらも仕切られています。
シルエット競技のレンジです。プローン時に使用するマットもきれいに敷かれ3種目中最も広いレンジとなっています。スタッフの方々が最後の準備に追われていました。
女性スタッフのお二人に写真に収まって頂きました。受付に、試合進行にと忙しそうに動き回られていました。ご苦労様です。
マスターバッジの交付窓口です。規定点以上の成績を収めた選手に申請資格が与えられます。もちろん競うのが競技ですが、精進して自分の過去記録を上回る成績を出しワンランク上のバッジを手にするという楽しみ方ができるのもAPS競技のまた違う一面ではないでしょうか。
レンジ後ろのスペースには過去22回にわたる歴代の記録が貼り出されています。
今大会は開催20周年ということで記念缶バッジが東日本大震災の募金という形で来場者に提供されていました。
共催、協力各社様からの副賞も多数展示されています。フロンティアさんからのタイガー戦車やそうめん流しセットが何だか素敵です。
Gun Magazineも最新刊を協賛メーカー賞として寄贈していました。
そろそろ開会式です。
日本エアースポーツガン協会 前田理事長の挨拶でいよいよ開会です。
大会スタッフより各競技に関する注意事項の説明、ルールーの確認の様子です。実際のターゲットを用いての説明は初めての参加者でも分かりやすいと感じます。
シルエット競技の会場をレンジ側から見るとこのような感じです。シューテイングブースの後ろのブルーの椅子が次に競技を行う選手の控え席及び観戦スペース。その後ろ(人がたくさんいる場所)がレストスペースとなっています。
そのレストスペースで新潟から参加された選手に写真に収まって頂きました。
前日から前乗り込みでの参加だそうです。競技を始めて2年目とのことでフロンティアさんにはいろいろお世話になっていると話されていました。
競技銃の写真も一枚。
銃も長旅は疲れる様子で調子が悪くなることもあるそうで、手のかかる奴です。でもそこがかわいいのかもしれません。メカはどんな物でも大なり小なりそんな傾向はありますね。
さてオープンサイト部門から競技開始です。
ブルズアイを撃つフロンティア社長、山中氏。
射撃中のターゲットはこの様です。
ブルズアイ競技の採点風景。選手の目が厳しく採点スタッフも気が抜けません。
プレートを撃つ選手。偶然にもまた山中氏でした。
シルエットのスタンディング(立射)を撃つ各選手。
シルエットのプローン(伏射)を撃つ各選手。
その中にクリードマンスタイルで撃つ選手を発見。隣の選手と比べるとその違いは一目瞭然。
家内曰く「首が疲れそう」。
会場内を歩いていると控え席に少々ご年配(失礼)の女性を発見。
弾を装填中のこの女性です。ジュニアの選手は何人か見かけましたがシニアのしかも女性の方は初めてなので写真を撮らせて頂くことに。
スタンディング射撃中。
プローン射撃中。どことなく可愛らしいこぢんまりとしたシューティングフォームです。これを見るとAPS競技が老若男女誰でも楽しめるスポーツであることが分かります。
シルエット競技で選手によって撃ち落とされたターゲットは大会スタッフによって人力でセットし直されます。公式練習会の時も感じたのですが、随分とアナログチックな光景です。
撃たれたターゲットはこんな様子です。
弾が当たった場所は結構凹んでいます。やはり銃の取り扱いは慎重の上にも慎重をです。
A 、B 、C 各グループの競技が全て終了するとオープンサイト部門の表彰式が行われます。全競技終了後ではなく部門毎の表彰形式です。こうしないと最初の頃に競技を終了した選手も最後までずっと待っていなければなりませんものね。
表彰式が始まるのを待つ面々。赤羽シューティングクラブのブルーのポロシャツがやけに目立ちます。しかしこのシューティングクラブはクラブとして実在するわけではなく「ただフロンティアさんに集う皆が、好きでお揃いのユニフォームを着ているだけ」とはリスキーこと加藤氏の弁。
氏のポロシャツの胸にはその文言がプリントされています。
表彰式が始まります。
大会のレーザー刻印も美しい三位までの選手に送られる盾です。
副賞関係も用意されています。
優勝した岡本選手から順番に前田理事長から表彰状と副賞が授与されてゆきます。
一位から六位までの方々です。
それぞれの選手のお名前はJASGのホームページに掲載されていますのでご覧ください。
ジュニア、シニア、初出場、レディスそれぞれのトップの選手の表彰も行われました。
続いて行われるフリーサイト部門の競技開始まで時間があるので少し腹ごしらえをするためにレストスペースへ。
そこで先程の女性の選手と隣合わせに。
穏やかな顔で「全然当たらないのよ」と言っていたところをワンショット撮らせて頂きました。
続いて二人のお仲間にも入って頂き愛銃を手にもう一枚。
この方々、実は大した面々なのです。
左は近代三種競技、射撃部門の役員の方。右側お二人は近代三種競技の選手の方々。
近代三種競技と言えば、水泳→ランニング→シューティング→ランニングという聞くからに過酷な競技。本来は五種のところをそこから乗馬とフェンシングを除いて少しでも多くの選手が参加しやすいように改変した競技だそうで将来のオリンピック選手の育成を目指しているとのこと。
使用されている公式認定競技銃もAPSカップのそれと同様のものが使われています。
従ってJASGのイベントスケジュールにも組み込まれています。
9月に千葉で大会が行われるというので私達も是非お邪魔しようと思っています。近代三種競技等については下記ホームページを参考になさってみてください。
もう一人、家内が今年初めの公式練習会で顔見知りになった選手がいらしたので写真を撮らせて頂きました。
去年の本大会フリーサイト部門で満射200点を出し、かつ2012年のグランドチャンピオンに輝いた「神」と呼ばれる男、横田選手。
家内が一人で初めて競技会を観戦に行った時、何も知らない家内の質問に丁寧に答えてくれた選手で、新潟からの参戦です。圧倒的にマルゼン製の銃を使っている選手が多い中、KSCの銃を使っている選手の一人です。
その銃が入っているガンケースを見せて頂きました。横田選手も銃が長旅で疲れているようなことを言っていました。
もう少し時間があるので5階のイベント会場に行ってみましょう。
KSCさん、フロンティアさんによるトイガンフェスタが開催されています。
KSCの寺田社長も元気な姿を見せておられ、お客様と熱心なやり取りをされていました。
APSライフルの新製品も展示されていました。GR1000Nがガス・タイプでGR2000Nがエア・コンプレッションタイプ。それぞれにアジャスタブルストックバージョンと汎用なM4スタイルストックバージョンがあるとのことで、写真がM4スタイルのストック仕様のバージョン。
GR1000N M4スタイルストックバージョンを構える来場者。奥に写っているのがアジャスタブルストックバージョンですね。
フロンティアさんもたくさんの商品を出品していました。
そんな中でも一番人気は恒例500円くじ。皆さんお宝ゲットの希望を胸に何度も何度もチャレンジしていました。
一角に設けられたマック堺氏の撮影ブースでは優しい語り口調で参加選手への熱心なインタビューが行われていました。
競技会場に戻りましょう。
フリーサイト部門の競技の模様です。
この角度から見ると後付サイト、スコープの様子が分かります。ダットサイト、ピストルスコープと言われる種のものです。自分に適しているのはオープンサイトかフリーサイトか。その選択も成績に大きく影響します。そして自己分析能力が必要な部分でもあります。
プローン(伏射)を打つ各選手。プローンは光学サイト系の方がサイトインしやすそうな気がします。
(素人考えですが)
シルエット競技でスタンディングを撃つ「神」こと横田選手。
プローンを撃つ横田選手。隣は赤羽シューテイングクラブのポロシャツを着たクリードマンスタイルで撃つ選手。対照的なスタイルです。
オープンサイト部門、フリーサイト部門の各グループ別の全ての競技が終了するとそれぞれの部門の優勝者各一名と公式競技会での各部門の成績優秀者各一名、計四名で今期のグランドチャンピオン決定戦をプレート競技で行います。
競技開始を待つ公式競技会でのオープンサイト部門成績優秀者、加藤選手。
フリーサイト部門成績優秀者、鈴木選手。
今大会オープンサイト優勝者、岡本選手。(左から2人目)
今大会フリーサイト優勝者、古川選手。(左から3人目)
以上の4選手により今期のグランドチャンピオン戦が行われました。
リスキーこと加藤選手はトップにあと1枚及ばない12枚。
トップは13枚の2選手による同点決勝となり、勝利したのは鈴木選手。
この瞬間、第19代グランドチャンピオンが決定しました。
第19代グランドチャンピオンの栄誉を手中に収めた鈴木選手。おめでとうございます。
フロンティア公式練習会でもご一緒させて頂きました。
その瞬間の時のために用意した「リスキー大先生」の襷をかけさせられ「これは罰ゲームだ」と嘆く加藤選手。競技中の真剣そのものの顔と対照的なのが印象的です。お疲れ様でした。
フリーサイト部門の表彰式です。二位に横田選手の顔も見えます。
各部門の成績優秀者も表彰されました。
引き上げる横田選手にワンショットお願いしました。雰囲気のある選手です。
そして栄えある第19代グランドチャンピオンに輝いた鈴木選手。なぜか横にいる前田理事長のほうがご満悦顔ですね。
鈴木選手の挨拶です。「フロンティア 山中社長がいたからこそ自分はここまでこられた」との言葉にジンとくるものがありました。大人の方です。
鈴木選手の表彰を見守る二人。
この方がいるから今のAPS競技の盛り上がりがあると言っても過言ではないホビーショップ フロンティア代表 山中氏。
隣はリスキー大先生こと加藤選手。この方はやはり看板選手です。
最後にJASG 大会スタッフによる閉会の挨拶で無事、今大会が閉幕しました。
会場に残った面々での集合写真です。疲れた顔、ニコニコした顔様々ですが、皆好きな物に熱中できて幸せそうな顔です。
最後はAPSの普及に尽力されているホビーショップ フロンティアの山中社長を中心として赤羽シューテイングクラブのポロシャツを着ている面々に集まってもらいました。「ただお揃いのを着ているだけ」とは言うものの、やはり特別な一体感を感じるのは私だけでしょうか。
こうして8:40~15:40の7時間に及ぶ本大会が終了しました。
参加人数は私達が観戦したハンドガンクラス153名(オープンサイト部門:95名、フリーサイト部門58名)。前日のライフルクラス83名。(オープンサイト部門:12名、フリーサイト部門:71名)
二日間で何と236名の選手が参加しています。
トイガンの世界はサバイバルゲームをはじめ様々な分野での楽しみ方がありますが、その中でAPSという競技は精神性において弓道などと同等ではないかということは以前に書きましたが、今回の本大会を見てその感を更に強いものとしました。
しかし弓は良いが銃という形態の道具を使うとそれがどの様な競技であっても拒否反応を示す方々がいらっしゃるのもまた事実です。しかし我々は子供の頃から石を投げて的に当てて遊んだり(ドッジボール等も広い意味では同等でしょう)と本来「的」に物を当てるという行為が大好きなのです。それをスポーツとして追求していった形が弓道であり、射撃(シューティングと表現したほうがイメージ的には良いかもしれません)であると思うのです。
JASGのような競技団体が今後も当大会のようなイベントを正面を向いて積極的に開催し、それをマニアの方々のみのイベントとはせず、APSという言葉を知っているだけというレベルの人達が気軽に観戦できるスタイルが構築されてゆけば更に良い方向に発展してゆけるのではないでしょうか。
偉そうなことを書いてしまいましたが、レーシングカートからF-1に昇りつめたレーサーもいるようにAPSという競技はオリンピックにもつながってゆく選手を育成できる可能性を秘めています。もっともっとアピールし一人でも多くの人達に接するチャンスを作ってあげられればと思います。
このブログはそんなAPSってなんぞやという方々にこそ読んで頂きたいという気持ちでいっぱいです。
選手の皆様、大会関係者の皆様、長い時間本当にお疲れ様でした。
追記 :
会場となった都立産業貿易センター台東館は来年(平成26年)4月より大規模改修工事のため1年間休館となってしまいます。
JASGによると今のところ来年の開催会場等については全く未定との事でした。
良い代替施設が見つかればよいのですが。少々気がかりな話です。
トイガンの世界はサバイバルゲームをはじめ様々な分野での楽しみ方がありますが、その中でAPSという競技は精神性において弓道などと同等ではないかということは以前に書きましたが、今回の本大会を見てその感を更に強いものとしました。
しかし弓は良いが銃という形態の道具を使うとそれがどの様な競技であっても拒否反応を示す方々がいらっしゃるのもまた事実です。しかし我々は子供の頃から石を投げて的に当てて遊んだり(ドッジボール等も広い意味では同等でしょう)と本来「的」に物を当てるという行為が大好きなのです。それをスポーツとして追求していった形が弓道であり、射撃(シューティングと表現したほうがイメージ的には良いかもしれません)であると思うのです。
JASGのような競技団体が今後も当大会のようなイベントを正面を向いて積極的に開催し、それをマニアの方々のみのイベントとはせず、APSという言葉を知っているだけというレベルの人達が気軽に観戦できるスタイルが構築されてゆけば更に良い方向に発展してゆけるのではないでしょうか。
偉そうなことを書いてしまいましたが、レーシングカートからF-1に昇りつめたレーサーもいるようにAPSという競技はオリンピックにもつながってゆく選手を育成できる可能性を秘めています。もっともっとアピールし一人でも多くの人達に接するチャンスを作ってあげられればと思います。
このブログはそんなAPSってなんぞやという方々にこそ読んで頂きたいという気持ちでいっぱいです。
選手の皆様、大会関係者の皆様、長い時間本当にお疲れ様でした。
追記 :
会場となった都立産業貿易センター台東館は来年(平成26年)4月より大規模改修工事のため1年間休館となってしまいます。
JASGによると今のところ来年の開催会場等については全く未定との事でした。
良い代替施設が見つかればよいのですが。少々気がかりな話です。
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