今回は4月6日に開催された㈱トウキョウジュウホウ主催FT(フィールド・ターゲット)空気銃安全射撃大会の観戦に栃木県にあるニッコー栃木県総合射撃場を家内と共に訪ねた。その様子を写真を交え全体の流れに沿って書きましたので少し長くなっていますがご容赦を。
最近はキジやカモなどの小動物のハンティングにはエアライフルを使うハンターが増えつつあるということで、欧米ではこの狩猟用高性能プレチャージ式空気銃を射撃に取り入れたFT(フィールド・ターゲット)射撃が危害予防や射撃技術の向上などに貢献しているそうです。
日本では空気銃射撃場の許可条件の法的規制等で普及がなかなか難しいようですが、そんな中ニッコー栃木総合射撃場は50m以上の遠距離射撃が可能な本格的シューティング・レンジです。
それでは大会の開始です。レンジ内はこのようになっています。
射座からターゲット方向を見た様子です。最大で150mの射撃が可能だそうです。今回は50mと100mの距離で競技が行なわれました。
競技前のミーティングの様子です。射撃大会開始前のミーティングということでもっと張り詰めた雰囲気かと思いましたが、皆さん顔見知りということもあってか非常にリラックスした雰囲気で、私達部外者もすんなりと入り込むことができました。
いよいよ競技の開始です。各選手とも銃の調整に余念がありません。
まず最初に50m射撃です。競技に入る前に5~10分程度の試射タイムがありターゲットの横に設置された試射用の的を使いスコープ、レストの調整を行ないます。50mの距離ではさすが肉眼では着弾位置の確認が不可能なため各自用意したスポッティングスコープで都度確認します。
試射が終了するといよいよ本射撃です。中央に16mmのヒットゾーンがあるクラッシュ・ターゲットを用い40発を40分以内で行ないます。クラッシュ・ターゲットとはその名の通り、弾が当たると割れるようにできていて、焼き物というか石膏というかそんな感じの材質でした。
そして40発40分の射撃が終わるとすぐさま大会本部にてすぐさま採点が行なわれます。
㈱トウキョウジュウホウのスタッフにより厳しさの中にも優しさのある採点風景です。この時ばかりは各選手とも「このターゲットはよく見てもらうと分かるけど、ここの端がほんの少しかすっているんだよ」など得点に対する執念に、和気あいあいな中にもライバル心が見える場面です。
ちなみに奥に見えるテーブルには今回は販売はしていなかったものの、㈱サイトロンジャパンのミニブースがあり、各種スコープやグッズ、非常に明るく視覚性にすぐれたスポッティングスコープなどが展示され参加者の興味を引いていました。
次は100m射撃です。写真がないのですがターゲットが貼ってあるボード自体も目を細めないと見えないくらいな距離で、風の影響もさらに無視できないレベルとのこと。それでなくても50m射撃に比べ約45㎝着弾位置が下方にずれるそうです。
100m射撃は20発を20分以内で行いますが、その前に50m射撃同様の試射タイムがあります。この頃になると少し風が出始め各選手を悩ませていたようで、やはり風は軽い弾を使う空気銃にとって大敵のようです。
本射撃に用いられるターゲットはNCターゲットという7.5㎝の的に当たると周辺が蛍光色のリング状に変化するもので、Gun Magazineのシューティング特集などでよく見かけるターゲットです。
的内であればどこに当たっても10点ということで、逆に言えば当てることすら難しいということです。
採点風景です。100mも離れた場所からよくもこんなサイズのターゲットに当たるもので、空気銃だからと侮れない性能そして射手の腕です。
いよいよ得点の発表です。この得点表の貼り出しかたも何か車で言う草レース的な感があって和めます。1位~6位が入賞とのことで各選手とも集計表に目が釘付けでした。
一人ダントツの高得点の選手がいます。皆が先生と呼んでいた方です。50m、100m射撃とも得点が安定していて、600点満点で確か460点(記憶違いでしたらごめんなさい)をたたき出していました。後半かなり風が出始めた状況下を考えると凄いことです。
優勝はこの方です。
この一年間猛烈に練習を重ねた結果が今大会で花開いたということで、普段はカラスなどの有害駆除に尽力されているそうです。賞品は6万円相当の銃のレストで、普段も同機種を使っているようでしたが「これはいくつあっても良いから」とコメントされていました。
最後は入賞者と参加者全員の記念撮影です。
皆本当にいい顔をしています。
こうして事故もなく無事大会が終了しました。当日は爆弾低気圧の通過で全国的に大荒れの天気になるという予報でしたが、ここだけはそんな予報がうそのように穏やかで時折、陽も差す程で今日という日を心待ちにしていた選手の皆さんの思いが通じた一日となりました。
私と家内は生まれて初めて射撃場という場所に足を踏み入れましたが、あまり違和感なく大会を楽しむことができ、約5時間ほどの時間があっという間にすぎた感じです。
選手の皆さんのキャラクターも様々で一発撃つたびに何か一声発する方がいたりと見ていて本当に楽しめました。この方が年間30羽程のキジを射止めるそうでそれを聞いてまたびっくりです。
本大会も10年ほど続いているそうでまた来年の開催が予定されています。いかんせん空気銃といえども実銃の狩猟用ライフルなので誰もかれもほいそれと簡単に足を踏み入れられる訳ではないかもしれませんが、大会の観戦だけでしたら知人が参加するなどチャンスがあれば是非足を運んでみてほしいと思います。
最後に選手の皆さん、㈱トウキョウジュウホウのスタッフの皆さん、㈱サイトロンジャパンのスタッフ皆さん、及び大会関係者の皆さん、一日本当にお疲れ様でした。
そして私達に新しい世界を堪能させて頂き本当にありがとうございました。
なお、今大会の模様はGun Magazine 6月号に掲載される予定です。そちらも併せてお読み頂ければと思います。
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