LEDが一般的になってからフラッシュライトの世界も大きく変わった。
それまでは高級フラッシュライトの代名詞だったマグライト、シュアファイア、スコーピオン等々、その多くが一般的な店では入手しづらく予備球を手に入れるにも手間がかかった。
特にシュアファイアは、輝度を稼ぐためにキセノン球を使用していたためその寿命は短く、短時間で超高温になってしまうため連続点灯時間はわずか20分、電源はリチウム電池の2CR3であった。
元々が銃の先端に取り付けるウェポンライトや敵を幻惑するための超高輝度のタクティカルライトとして使用するフラッシュライトなので長時間点灯の必要はないのであろう。
それに比べるとマグライトは一般的で高品質の「懐中電灯」の趣である。高品質なエアクラフトアルミのボディー、要所要所にはOリングが入っており防水性も完璧であった。海底に長時間沈んでいたマグライトが問題なく点灯したという逸話も残っているほどだ。
先端を回転させると照射範囲が変えられるズーム機能、またその先端を取り外すと球がむき出しとなりテントの中などでキャンドル的にも使用できるなど実用面でも多機能で、また電池のサイズ、個数によるバリエーションが多いのも特徴である。球は小型の機種は極小のハロゲン球を用い高輝度を実現しているが、シュアファイアのキセノン球ほどではないがやはりどこでも手に入るという球ではなかった。
そんな時代から15年程たった現在、フラッシュライトはLEDという新しい光源を手に入れ大幅な進歩を遂げた。「球切れがない」「消費電力が少ない=普通の小型電池で使える」などなど。「非常に明るいフラッシュライト」がマニアックなジャンルの物からごく一般的な人達が使う「普通の物」に移行した。光源となるLEDさえ手に入れば特殊な技術を持たないメーカーでも一定水準以上の製品が簡単に作れるようになったと言う訳である。
そしてこのLED LENSER(レッドレンザー)のフラッシュライト。
特に「ワイド側におけるムラのない配光」は重要なポイントで、マグライトは照射範囲はかなり広いものの、明るいところと暗いところがリング状に発生してしまう。
それに比べLED LENSERは広範囲な照射にも関わらずその範囲内ほぼ全てが白い光に満たされる。これは暗闇で作業する際には非常に重要なことで、恐らくその特殊な形状をしたレンズの恩恵であろう。
その照射範囲と明るさは非常に頼もしく、私は愛犬の夜の散歩用に購入したがそれまでライトなしでも何も感じなかったものが一度ここれを持って出かけてしまうと、二度とライトなしでは歩けなくなるくらいの重宝度だ。
人間は闇の中で最も不安を感じるという。地震などの自然災害であたりが真っ暗闇に包まれた時、高性能なフラッシュライトはきっと不安を和らげてくれる最大のイクイップメントになってくれるであろう。
※写真は左がMINI-MAGLITE、右がLED LENSER P7
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