2012年11月20日火曜日

モノラルをOLD JBLで聴く


フレームに型式の刻印がある初期型D131、最初期型の075、2.5kHzクロスのN2500、オール米松合板のエンクロージャー。1956年当時のまだメーカーが世界中で受け入れられる音をめざすわけではなく、ひたすら自分達の音を追求していた時代のまさにJBLがJBLの音を発していたシステムである。言い換えればユーザーに媚びた音ではなく、「これが我々の音。気に入らないなら他のメーカーをどうぞ」という感じであろうか。

最近はこのシステムでモノラル音源を聴くことが多い。ステレオ音源をあえてモノラルにして聴くこともある。ステレオ音場では味わえない音の密度、力強さ、充実感、そして音楽そのものの安定感が格段に増して聴こえる。
あたり前のことだが自然界にステレオで発せられる音などはなく、楽器の世界も同様でピアノにしてもサックスにしてもモノラルなのである。それらの音がただ人間の左右の耳に届く時間差により広がりをもって聴こえる(ステレオ感)というだけの事である。これが本来の音場で、あてステレオシステムなどで再生する必要はないはず。
そもそもオーディオ機器がステレオ化されたのはレコードの録音がその様になったからで、ある意味レコード業界につられた感がある。更に二匹目のどじょうを狙って4チャンネルなるものも開発されたが、ほとんど見向きもされず短命に終わっている。

このように私の好きなモノラルは音が不必要に動かないので聴き疲れがなく、またリスニングポジションが特定されない。簡単に言えばどの場所で聴いても良い音が楽しめるというわけだ。これは長時間のリスニングには非常に大切なことで、なにか他の作業をしながら聴くには最適である。

こんなに古いスピーカーから奏でられるモノラル録音の音楽が現代のオーディオに物申すとでも言いたげに今日も鳴っている。






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