2012年10月22日月曜日
オリジナル盤に思う
ジャズのオリジナル盤は相変わらず高値がついている。誰もが知っていてCDで何度も再発が繰り返されている人気盤などはとてもレコードとは思えない値段だ。
そんなオリジナル盤の魅力はやはり音の良さと発色などを含むジャケットの素晴らしさであろうか。
しかし何で50年も60年も前のレコードがこんなにも魅力的で良い音がするのか。よく言われるのが当時の録音機材に味わいのある音がするものが多かったということ、例えば真空管の録音アンプを搭載したテープレコーダーや調整卓など。
しかし今聴いても力みなぎる太い音がする最大の要因は、そのような音がする機材で録音した音を記録した磁気テープ(マスターテープ)が当時はあたり前だが新譜の録音なので非常にフレッシュであったということ。磁気テープの宿命である録音後の保存の段階で時が経つにつれて起こる直接音質に影響する転写や磁気特性の劣化などがない。
したがって何十年も経って劣化してしまった現在においてマスターテープからいかに直接デジタルマスタリングしようが当時の音には到底及ばないのは当然である。
まして今は各レーベル共に貴重なマスターテープの貸出は一切おこなっていないようで、デジタルコピーしてもらった音源からアナログ盤を制作している状態であるらしい。
現代のレコードが要は記録媒体がレコードというだけの言わばアナログ盤もどきであることを考えるとデジタルプロセスが全く介在していないオリジナル盤は音が良く非常に貴重な物であることが理解できる。
減りはすれど増えることは決してないジャズのオリジナル盤。いつまでも大切にしたいものである。とこんなことを書いている当の私はアナログ盤とはまた違った魅力的な音がするハイレゾ音源も大好きなのだが。
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