2012年8月14日火曜日

ミリタリーコンパス


確か昔、父親が沖縄に出張に行った時の土産だと思う米軍のミリタリーコンパス。
1962-11の刻印があるのでベトナム戦争当時の物と思われる。

私は小さい頃からミリタリー物が好きで父親と一緒によくアメ横の中田商店などに出かけた。その頃はベトナム戦争がまだ続いていたので、米軍からの放出品(その頃は払下げ品と言っていた)が今で言うミリタリーショップは言うに及ばず、ありとあらゆる場所で売られていた。
1975年に戦争が終結した後も10年間以上このような状況が続き,新宿は紀伊国屋書店の裏路地で露天商まで出ていたくらいである。
そんなベトナム戦争も遠い日のこととなった時に貰ったのがこのコンパスである。確か何点かあったうち一番使い込まれたものを買ってきたと言っていた覚えがある。今はもう光らなくなってしまったが、コンパスの文字盤には大量の夜光性物質(恐らくトリチウム)が塗られており夜間の発光時間及び視覚性は相当のものであったはずで、放射性物質が厳しく規制され一定時間しか発光しない蓄光塗料を代用している現在の同型のアウトドア用コンパスとは一線を画す部分である。裏面には例の放射線マークが大きく刻印されている。きっと当時M16A1アサルトライフルと共にジャングルの中の米兵達の生命線を握っていたのであろう。
銃火器を含め戦場から生まれてきた物達には、それがどんな小物やパーツであろうと民生品が足元にも及ばない凄みや存在感,信頼性が感じられる。
私は戦争そのものを肯定しはしないが、戦争というその環境が生み出した技術やメカニズムは大いに肯定したい。



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