2012年7月13日金曜日
古いラジオに想う
我家に恐らく1960年代の製品と思われるRCA VICTOR製の真空管ラジオがある。
主にAFN(FENのほうがしっくりくるが)を聴くのに使っている。電源を入れてしばらくはバリ,バリとノイズがで出るが,その後は温かい潤いのある音を聴かせてくれる。
カントリーミュージックやジャズは別格の味わいで,特に人の声は素晴らしい。よってニュース等もとても心地よく聞こえる。これを聴いてしまうと真空管式のチューナーが欲しくなってしまうような音色である。
真空管式チューナーはやがてソリッドステート式になりアルプス電気がバリコンの製造を中止したことにより全てシンセサイザータイプになってしまった。
これらの経緯は現状より更に音を良くするための変遷ではなく,ただ単に使い易さ,製造手間の簡略化,コストダウンのみを追求したものであると私は思っている。
世の中の工業製品はこの道筋を辿ることがある意味宿命ではあるが,だからやはりオーディオ製品の純粋な音の完成点へは現在よりももっと以前に到達していると考えるべきであろう。
現代のオーディオ機器に魅力を感じられないのは案外こういうところに原因があるのかもしれない。私も含めビンテージオーディオに走ることは懐古趣味でも何でもなく音楽好きにとっては至極自然な行為であると思う。
重箱の隅をつつくような理論の上にたった製品はもううんざり。古い小さなラジオ一つに今のオーディオ機器は太刀打ちできないのである。
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