2012年7月5日木曜日

足元にも及ばない音



近くに里山がある大きな公園があり、月に何回か愛犬の体力作りに出かけている。
雑木林の中を歩くたびに感じるのは、自然界の音が何とすばらしいかということである。鳥のさえずり、木立を揺らす風の音、夕立前の雷鳴などなど。
そしてこれらの音を耳にするたび「この音を再生、再現することは到底無理だな」ということである。

機器の新旧に関わらずあるグレード以上のオーディオ装置は、時として実際の楽器や演奏以上に「それらしく」聴かせることがある。特にジャズなどはマスタリングの妙なのかその傾向が強い。
楽器などは演奏される場所などを考慮にいれ、不確定な要素を取り除いて演奏し、それなりのミキシング、マスタリングをほどこせば一定レベル以上のクオリティーの音を収録することは可能であろう。またその収録環境が分かれば再生、再現も比較的容易である。

しかし、自然界に存在する音はそんなものとは全く違う。何がどの様に影響しあい、また何万種類の音が複雑に重なりあって今その音が耳に届いているのであろうか。
これはもう神のみが知る音の世界である。このような音世界をたかが電気を使った機器で収録し、それをまた電気をつかったオーディオ機器ごときで再現できるわけがないのである。

自然界が発生する音は何もかもが別格である。あまたある楽器の銘機、それらを収録した音源を再生するオーディオ機器の銘機。
しかしこれらが束になってかかってこようと、自然が発生する音の足元にも及ばないのである。

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